日本最高峰のフォーミュラレースシリーズ「全日本選手権フォーミュラ・ニッポン」は、8月7〜8日に栃木県・ツインリンクもてぎで開催される第4戦で、シリーズの折り返し点を迎える(今季は全7戦)。後半戦に向けて本格化するチャンピオン争いを優位に進めるのは、果たして誰か?
今季、もてぎでの開催はこれが2度目となる。5月の第2戦は「レース距離250km、タイヤ交換義務なし」という設定だったが、これが今回は「レース距離250km、タイヤ交換義務あり」へと微妙に変化する(予定)。
ただ、第2戦も燃費的にノーピット作戦は現実味がなく、1回のピットストップで給油+タイヤ交換という戦略が基本となっていたため、戦略的要素の実態に大きな違いは生じないだろう。あとは、スタート時の燃料搭載量を多めにしてピットストップの時間を節約するか、あるいは軽め(燃料少なめ)でスタートしてスピードを活かし、ピットで長めに停まって給油する方を取るか、そのあたりが焦点になりそうだ。
ピットロードでのロスタイムが比較的短くて済むなど、もてぎのコース特性を考慮すると、2回ピットストップ作戦の可能性も浮上するが、あるエンジニアは「暑さでタイヤの消耗がよほど激しいような状況になれば、2ストップするところも出てくるかもしれない」と、やや消極的な予測。やはり、今回も基本的には1ストップ作戦での攻防となる可能性が高そうだ。
5月の第2戦もてぎで勝ったのは、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(インパル・トヨタ)。第3戦富士では同僚の平手晃平が勝ち、インパルは連勝中である。どうやらナカジマ・ホンダ独走の流れは終息したと考えてよく、第3戦で勝った平手が「予選でのタイム差も皆、接近しているし、混戦になっていくと思う」と語るように、ここから戦いは熾烈さを増すだろう。
チャンピオン争いは、インパルの両雄に加えて開幕戦優勝者の小暮卓史(ナカジマ)、3〜3〜2位と安定しているアンドレ・ロッテラー(トムス・トヨタ)の計4人が8ポイント差のなかにひしめく。第6戦までの得点システムは優勝10点+ポール1点で計11点が最大得点なので、場合によっては1レースでひっくり返る差なのだ。もてぎで勝って主導権を握るのは誰か?
近藤真彦のKONDOレーシングが、07&08年チャンピオンの松田次生を擁して正式参戦開始というのも、第4戦もてぎの話題だ。陣営は第3戦富士のフリー走行にテスト参加して、まずまずの手応えを得ており、途中参戦ながら「年内に1勝」という高い目標を掲げる松田は、初戦となるもてぎで「まず予選ではQ2に進出したい。できればQ3まで行きたいですね。決勝は完走してポイント獲得」と具体的なターゲットを見据えて虎視眈々。彼の戦いぶりにも注目したい。
連覇王・松田の復活もあり、夏のもてぎラウンドはハイレベルな混戦に拍車がかかる可能性が高まった。ぜひとも現地で生観戦したい一戦だ。
【ご招待】この第4戦に『レスポンス』読者を招待しよう。今年はフォーミュラ・ニッポンが発足してから15周年の記念すべき年だ。そこで読者2人1組で15組30人を招待する。
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