パリの公共自転車が3周年、8000万回の利用を記録

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パリの公共自転車(コミュニティサイクル)「ヴェリブ」
  • パリの公共自転車(コミュニティサイクル)「ヴェリブ」
  • パリの公共自転車(コミュニティサイクル)「ヴェリブ」
  • 「ヴェリブ」の無人ステーション
  • 「ヴェリブ」の1日チケット
  • パリ市内のバスバイクレーン(バス自転車共用道)

パリで2007年にサービスを始めた公共自転車(コミュニティサイクル)『ヴェリブ』が、7月15日に3周年を迎えた。

3年間の利用は8000万回で、1年利用の長期契約者は16万人以上を記録した。利用者の内訳は、男性52%、女性48%、25歳以下16%、56歳以上8%、会社員16%、学生10%などとなっている。平均利用時間は約20分で、定期的に利用する通称「ヴェリビスト」は11%増加したという。

当初から750か所のステーションと1万648台の自転車という大規模な体制でスタートしたことや、ステーションを無人化することで24時間営業・年中無休を可能としたこと、さらに導入に先がけて371kmもの自転車専用道路を整備したことなどが、成功に結びついたといえる。

チケットは1日分(1ユーロ)、7日分(5ユーロ)、1年分(50ユーロ)の3タイプで、1回ごとの利用料金は30分以内無料、それ以降は30分ごと1ユーロとリーズナブルに設定されている。1日分と7日分のチケットはクレジットカードを使った購入も可能。当初から観光客の利用を見越したこのシステムも、人気の要因に挙げることができる。

さらにパリ市庁と運営を担当する広告代理店JCドゥコーは、この3年間で「ヴェリブ・エ・モア」と名づけられたブログの開設、法規・保守・看板・交通計画を議論するユーザー委員会の開催、コールセンターの待ち時間や書面による質問への返答期間の短縮、標高60m以上にあるステーションで通常より15分長く乗車できる「ボーナスV+」の導入などを実現している。

単に自転車やステーションの数を増やすだけでなく、さまざまな分野で着実に環境整備を行っていることも、ヴェリブがパリの移動手段として定着した理由に挙げられるだろう。今年に入ってからも進化は続いており、5月にはiPhone向けアプリの提供を開始している。

《森口将之》

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