全身に電磁波を照射し、衣服の下を透撮するボディスキャナーの実証実験が、5日から成田空港で始まる。
昨年12月、デルタ(ノースウエスト)航空アムステルダム・デトロイト便の航空機内でのテロ未遂事件をきっかけに、アメリカ国土安全保障省が、各国に空港における保安検査強化を求めた対策のひとつ。
この事件で、容疑者は注射器に入った有機系化学物質を使い、金属探知機では探知できなかった。
実証実験は、検査データを蓄積し、多様なボディスキャナーの機種選定に役立てるとともに、ボディスキャナーそのものを空港利用者に知ってもらう目的がある。
保安検査場に設置して乗客にボディスキャナー通過を義務付けるものではなく、成田空港内の保安検査場前で、誰でも装置を見て、ボディスキャナーの透撮効果を確かめることができる。
設置場所は、第一旅客ターミナル南ウイング出発ロビー4階。5機種を各5日間、実証実験休止日を含めて9月10日まで行う。各機種の実施機関は下記の通り。
●「ProVision ATD」 L3社(米)…7月5~9日
アクティブ型ミリ波 装置内での自動検知式
●「MPI 2」東北大学・マスプロ電工・中央電子共同開発(日)…7月20~24日
パッシブ型ミリ波。画像調査者が装置のマーキングを参考に判別。
●「SAFE SCREEN」ブリジョー社(米)…8月2~6日
パッシブ型ミリ波。画像調査者が判別。
●「eqo」スミス社(独)…8月23~27日
アクティブ型ミリ波。画像調査者が判別し、検知結果をオペレーターに伝達する。
●「T8000」スルービジョン社(英)…9月6~10日
パッシブ型テラ波。人体が発するテラ波を検知する。画像調査者が判別。