クラウドサービスのメリットを存分に活かした
GPSの精度についていえば、端末ごとの特性もあるかもしれないが、都心の込み入った場所でさえなければ十分な性能を持っている。GPS測位だけのPNDと比べても遜色はない。基地局測位を組み合わせることで、PNDの苦手とするコールドスタートに強いのもケータイナビのメリットだ。
また、検索データベースの充実ぶりと鮮度もクラウドサービスの強み。戸建の自宅なら号までの住所を入力すれば、細かい路地のブロック内の位置まで正確に表示される。このあたりは、地図会社ならではの特長と言えるだろう。
移動の追従性も実用上は問題はなく、描画にもたつくこともない。ジャイロや車速センサーを搭載したカーナビと比べると、自車位置の反映間隔が少しだけ長く感じられる。ただし、これは他のケータイカーナビも同じレベルであり、問題は無い。ただ、交差点を曲がった直後や、Uターンした直後などは自車位置の反映がワンテンポ遅れるので少し注意が必要だ。
高速道路では、画面上にインターチェンジとSA・PAの距離や所要時間などの情報が表示される。これも一部のカーナビには備わっている機能だが、「いつもNAVI」でもサポートしており、デフォルトでこの表示となっている。ただし、小さい画面なので運転中に確認するのは難しい。青看板や交差点の拡大イラストにはもちろん対応。画面下のメニューを隠して地図を大きく見せるモードや、左右2画面に分割して案内ポイント(交差点)を一覧で見ることができる「交差点モード」を備えていたりと、ケータイナビアプリとしては随一と言える多彩な表現力がいつもNAVIの特徴だ。一部のタッチパネル端末ではアプリ側で対応しているなど、行き届いた配慮は、さすがにキャリア標準のアプリなだけはある。
小さい画面やボタン操作など、通常のカーナビを基準に考えると使い始めに多少の慣れは必要だが、実際のルートガイドについてとまどう場面は全くない。
安全上ケータイの画面を見ることはできないので、必然的に音声ガイドに頼る部分が増えるのだが、音声ボリュームを「大音量」にしても、ときおり聞き取れないこともあった。これは「いつもNAVI」に限らず他のアプリでも同様のことが言えるので、内蔵スピーカーのハード的な限界だろう。
◆積極的に活用したい「便利ツール」
いつもNAVIならではの特徴的な機能をピックアップしてみよう。ここで取り上げるのは、「TV番組&エンタメ」「訪れた街」などに代表される「便利ツール」メニューだ。
TV番組&エンタメ機能は、テレビで紹介されたお店やスポットの検索ができたり、口コミ情報での検索ができたりする。カーナビの目的地検索は、住所か施設名などかなり具体的な行き先が決まっていないと(あるいは知っていないと)、ジャンル検索や周辺検索だけでは、「おいしい中華のお店」とか「24時間営業のGS」とかいった漠然とした目的地の設定は難しい。しかし「いつもNAVI」の便利ツールを利用すれば、観光地などの行った先でどこか面白い場所を探す際に威力を発揮するだろう。
また「訪れた街」という機能では、ナビゲーションによって走破した都道府県を塗りつぶしていく地図が表示される。自分がナビによって訪れたところが色分けでわかるようになっており、47都道府県を走破していく楽しみが味わえるようになっている。訪れた街は、PC版いつもNAVIでも確認が可能だ。
機能的には通常のカーナビと遜色がなくなってきている「ケータイカーナビ」だが、エンターテインメント系の情報をはじめ、これまでのカーナビにはない通信連携機能を持つものもあるようだ。GPSケータイを持っているなら試す価値は十分にある。
【アプリ概要】
■アクセス
iモード:メニューリスト>生活情報【乗換/地図/交通】>地図・ナビゲーション>ゼンリン いつもNAV
Yahoo!ケータイ:メニューリスト>交通・グルメ・旅行>地図>ゼンリン・いつもNAVI
EZweb:au oneトップ>カテゴリ(メニューリスト)>地図(国内)>ゼンリン・いつもNAVI
■利用料
ドコモ:月額315円
ソフトバンク:月額210円/315円/367円
au:月額210円/315円
■公式サイト(PC)
ゼンリン いつもNAVI
http://www.zenrin-datacom.net/mobile/