ボルボ売却、フォードと中国吉利汽車が正式契約

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28日、フォードは吉利汽車とのボルボ売却を正式に契約した。
  • 28日、フォードは吉利汽車とのボルボ売却を正式に契約した。
  • 吉利汽車グループのLi Shufu会長とフォードのルイス・ブースCFO

フォードモーターと中国の吉利汽車(ジーリー)グループは28日、ボルボカーズの売却に関する正式契約を締結した。売却額は、18億ドル(約1670億円)だ。

フォードはリストラの一環として、傘下のPAG(プレミアム・オートモーティブ・グループ)ブランドの売却を進めてきた。すでに、アストンマーチンは英国プロドライブ社のデビッド・リチャーズ会長らの投資家グループへ、ジャガー&ランドローバーはインド財閥系のタタグループへ売却された。残るボルボについては、複数の相手と売却交渉を進めてきたが、2009年10月、吉利汽車に優先交渉権を付与。12月、両社はボルボの売却に関して合意に達していた。

吉利汽車は中国・浙江省に本拠を置く民族資本のメーカーで、規模としては国内10番目程度。1986年に設立され、1997年から自動車事業に参入した。2003年からは、海外市場への輸出も開始している。

フォードと吉利汽車は28日、スウェーデン・イエーテボリのボルボ本社において、ボルボ売却の調印式を実施。買収額は18億ドル(約1670億円)で、今年9月末までに売却手続きを終えることが取り決められた。

フォードのルイス・ブースCFOは「今後もボルボと一定の協力関係を保っていく。吉利がボルボをさらに発展させると確信している」とコメント。吉利汽車グループのLi Shufu会長は、「我々の元で、ボルボは飛躍的成長を遂げるだろう」と述べている。

中国メーカーによる海外自動車メーカー買収といえば、2005年に南京汽車が旧MGローバーを、2009年に北京汽車がサーブの一部知的財産権を手に入れている。今回の吉利汽車グループによるボルボカーズ買収は、中国メーカーによる海外自動車メーカー買収としては、過去最大規模。あらためて、中国の存在感を世界に示す結果となった。

《森脇稔》

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