【BMW グランツーリスモ 試乗】ニッチにならざるを得ない…松下宏

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5シリーズ グランツーリスモ
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2010年にはBMW『5シリーズ』のフルモデルチェンジが予定されているが、『5シリーズ・グランツーリスモ(GT)』は基本プラットフォームは『7シリーズ』のものを使っていて、GTは標準の5シリーズより上級のクルマに位置づけられる存在となり、5シリーズのフルモデルチェンジを先取りする形で登場したのかと思ったら、そうではなかった。

5シリーズGTの特徴は後部のハッチバックドアにある。しかも通常のハッチバックドアと違ってトランクのように開いたり、リヤウインドウと一緒にハッチバック全体が開いたりする複雑な機構を備えている。

7シリーズの基本プラットフォームを使ったことや、複雑なハッチバックドアを持つことは、車両重量の増加につながり、2tを超える重さとなったが、直列6気筒3.0リットルの直噴ツインターボは余裕たっぷりの実力を持つ。改良が加えられて従来の『3シリーズ』に搭載されたものとは少し仕様が異なるエンジンで、8速ATとの組み合わせによって100km/hのクルージングをわずか1500回転でこなすような実力がある。

後席にも座って高速クルージングを楽しんだが、正に7シリーズに乗っているような快適性や静粛性を味わうことができた。

BMWにとっては新コンセプトのクルマであり、新しいユーザー層に訴求するためのクルマである。ただ、価格帯もかなり高めに設定されているので、相当にニッチなクルマにならざるを得ないだろう。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

《松下宏》

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