【ジュネーブモーターショー10】プロトンのHVコンセプト、イタルデザイン&ロータスが参画

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プロトン EMAS
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マレーシアのプロトンは2日、ジュネーブモーターショーにおいて、小型ハイブリッドのコンセプトカー『EMAS』を公開した。ジウジアーロ率いるイタルデザインと、ロータスとの共作である。

プロトンは1983年、マレーシアに設立。当時のマハティール首相は国産車構想を掲げており、それに従って誕生した国策自動車メーカーだ。三菱自動車との関係が深く、93年に三菱『ランサー』(4代目)をベースにした『ウィラ』を発売して大ヒット。96年には英国のスポーツカーメーカー、ロータスを傘下に収めるなど拡大路線に転じ、世界累計販売は300万台を突破している。

そんなプロトンが2010年のジュネーブで、小型ハイブリッドのコンセプトカー、EMASを公開。そのデザインは、ジョルジェット・ジウジアーロ氏が1969年に設立したイタルデザインが担当した。同社はロータス『エスプリ』(72年)、フォルクスワーゲン『ゴルフ』(74年)、ランチア『デルタ』(79年)など、自動車史に残る名車をデザインしたことで知られる。

ジョルジェット・ジウジアーロ氏は、EMASについて、「欧州Aセグメントのボディサイズで、Dセグメントに匹敵する室内空間を追求した」と、デザインの狙いを語る。

EMASは、ユーザーの嗜好に応じて、「EMASコンフォート」、「EMASカントリー」、「EMAS3シティ」の3仕様を提案。EMASコンフォートとEMASカントリーは、全長3550mmで、コンフォートは5ドアハッチバックに4席独立シート、カントリーは3ドアハッチバックの5シーターという違いを持たせた。両車とも、ハイブリッド車だ。3000mmというロングホイールベースは、コンパクトカーとは思えない広大な室内空間を生み出している。

一方EMAS3シティは、全長が3000mmと短い。ボディは3ドアハッチバックで、リチウムイオンバッテリーを2個搭載するため、3シーターとなる。外部電源から充電できるプラグインハイブリッド車というのも、他の2車との違いだ。

EMASのハイブリッドシステムは、英国ロータスカーズの関連会社、ロータスエンジニアリングが開発。基本はモーターのみで走行するEVで、モーターは最大出力61ps、最大トルク24.5kgmを発生する。オーバーブーストモードでは、最大出力は102psへ高められる。0-100km/h加速は14秒、最高速は170km/h。最大50km、モーターのみでゼロエミッション走行できる。

2次電池は、蓄電容量11.5kWhのリチウムイオンバッテリー。充電容量が少なくなると、発電専用の1.2リットル直列3気筒ガソリンエンジン(51ps)が始動。ジェネレーターを回してモーターに電力を供給するとともに、バッテリーの充電を行う。

この1.2リットル直列3気筒エンジンは、「ロータスレンジエクステンダー」と呼ばれ、シリーズハイブリッド車への搭載を想定したコンパクトエンジンだ。シリンダーヘッドとブロックを一体成型しているのが特徴で、オールアルミ製としたこともあり、単体重量は56kgという軽さ。燃料はガソリンだけでなくエタノールやメタノールにも対応する。

プロトンはEMASの市販計画について、明らかにしていない。顧客の嗜好に合わせたハイブリッド車を、同時に3台披露した点に、プロトンの意気込みが感じられる。

《森脇稔》

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