豊田社長、人気番組に生出演「問題に正確に答えたい」

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レクサスHS250h発表会での豊田社長(2009年7月)
  • レクサスHS250h発表会での豊田社長(2009年7月)

米下院公聴会に出席したトヨタ自動車豊田章男社長は、公聴会を終えた24日の午後9時から前半の30分に渡り、CNNの人気トーク番組「ラリー・キング・ライブ」に生出演。ホストを務めるラリー・キングとの通訳を介して交わされた対談は全米に生放送で配信された。

冒頭、ラリー・キングの「あなたの語学力では通訳を付ける必要はないのでは?」との問いかけに、豊田社長は「問題に出来るだけ正確に答えたい」と回答。その後対談は、原因についての質問に対し「大きく分けて4つ」を挙げるなど公聴会での質疑回答に沿った内容で進んだが、続けて新たに問題を指摘されている電子制御スロットル(ETC)のプログラム部分の不具合に関しては調査結果を踏まえてこれを否定。

事故の原因としてドライバーを非難するか?との問いに対しても「それはない」と応じたが、事故で負傷、死亡した際の救急搬送費や葬儀代をトヨタが支払うことになるのか?との質問には、保証問題は係争部分になるので明言を避けた。明日ディーラーに行って、売っているトヨタ車全てが安全か?との問いには「安全です」と即答し「ブレーキオーバーライドを取り付けることで安全が保障できる」と加えた。

トヨタは立ち直れるか?との質問には、「従業員一同がんばっていきたい。」と応じた。ジャパンバッシングのようなものを感じるか?との問いに対しては「そのようには感じない」と回答。車が好きで、一年で200台乗っていることなどを語り、テレビ出演がお好きでないと聞いているが?との問いかけには「あなたの番組に出演できて光栄です」と返した。

米国内番組ホームページで行われている「リコール後、トヨタは消費者の信頼を取り戻せたか?」の視聴者アンケートは、番組直後ではYesが56%、Noが44%。一般米国民が一連の問題を比較的冷静に受け止めていると思われる数字だ。

公聴会では会の性質もあり厳しい追求が続いたが、米国内メディアは社長自らが進んで公聴会に出席したことに対しては好意的な論調で報じており、また問題は問題としながらも、一連の追及に対しては同情的な声も上り始めている。豊田社長は公聴会直後に全米から集結したディーラーらの会合に出席し「公聴会では私は一人ぼっちではなかった、全米、全世界の従業員、仲間がいるからだ」と涙ぐむ一幕もあった。

《ケニー中嶋》

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