新型『プリウス』のリコールに踏み切ったトヨタ自動車だが、その回収修理は比較的速やかに進みそうだ。
【プリウス プラグインHV 試乗】本格EV化への弾みに…西川淳
第三世代を迎えた『プリウス』は、プラグイン化されてはじめて評価の対象になると言ってきた。まだ市販という段階ではないし、足下の火が燃え盛ろうとしている(ブレーキ問題)今、PHVを評価してる場合じゃないよ!なのかも知れないが。
公称距離よりやや短い20km弱をEV走行したのち、折り返し地点で充電もろくにせずハイブリッド走行でゴールに戻る。で、最初の感想はというと、人間(=ワタシ)ってホント、身勝手なシロモノだなあということ。前半はまんま電気自動車だから、従来のクルマ評価の観点などすっかり忘れてしまい、無音で走る新しさを満喫する自分がいた。そう、“これでいいじゃない?”
ところが帰りは、電池も切れてただのハイブリッドだから、やっぱりプリウス(当たり前だけど)。エンジンがかかってしまうと、途端に見る目も厳しくなる。ノーマルに比べてやけに静かにしずしずと走る以外に、コレといって褒めるべき走り味(昔ながらの)はない。上と下がバラバラな感じは相変わらずで、“まあ、こんなもんかな”というレベルのライドフィールではある。
結局のところ、PHVが本格普及すれば、(電力供給や充電施設の問題は別にして)人々は自宅充電の楽しさを知り、上手に使うことを覚えていくうちに、「エンジン、もっと小さいのにならんかな」とか「いっそエンジンいらないから値段まけて」なんて風に、意識が変わっていくだろう。使い勝手に併せていろんな原動力タイプが併存してゆく方向にあるけれど、まずはPHVおよびレンジエクステンダーが主流となりながら、本格EV化への弾み車になる可能性は大きい。人が望めば、インフラなんて自然と後から付いてくるものだ。
というわけで、値段が下がってブレーキ問題に(精神的にも)ケリがつけばオススメ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★
西川淳|自動車ライター/編集者
産業から経済、歴史、文化、工学まで俯瞰して自動車を眺めることを理想とする。高額車、スポーツカー、輸入車、クラシックカーといった趣味の領域が得意。中古車事情にも通じる。永遠のスーパーカー少年。自動車における趣味と実用の建設的な分離と両立が最近のテーマ。精密機械工学部出身。
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