SUPER GTを運営するGTアソシエイション(GTA)、同じくフォーミュラ・ニッポン(Fニッポン)の日本レースプロモーション(JRP)、そして富士スピードウェイの3社は15日、開催中の東京オートサロンの中で、「SUPER GT&Formula NIPPON FUJI SPRINT CUP 2010」の大会概要を発表した。
両カテゴリーのシーズン終了後の11月13 - 14日に、富士スピードウェイにて合同イベントとして開催される。
国内のモータースポーツのさらなる活性化を目的とし、新たなレースの形態とモータースポーツファンへの感謝の意を込めて開催される今回のイベント。グランドツーリングカーレースおよびフォーミュラーカーの国内トップカテゴリーが同じサーキットで同日開催するイベントというのは国内史上初となる。
初日が第1決勝レース、2日目が第2決勝レースとなり、GT500クラス、GT300クラス、Fニッポンの順で、それぞれ22周100kmのレースを行う。予選は今のところ検討中ということだが、実施する方向としている。サポートレースや場内イベントなども、今後3社のメンバーで構成する「SPRINT CUP 実行委員会」(委員長:富士スピードウェイ常務取締役柘植和廣氏)で検討を進め、随時発表するとした。
会見には、GTAからは代表取締役の坂東正明氏、JRPからは取締役会長の中嶋悟氏、富士スピードウェイからは代表取締役社長の加藤裕明氏が登壇。坂東氏によれば、GTAからリニューアルオープン後5周年となる富士スピードウェイにイベントの話を持ちかけ、さらにJRPに加わってもらい、SPRINT CUPに発展したとする。昨年6月にJAFに申請し、8月に認可され、今回の発表に至ったという。
坂東氏は、「日本を代表する2つのシリーズが、富士スピードウェイを舞台に、不景気を吹き飛ばすような感動と興奮を提供できる、過去に例を見ない新たなレースイベントを開催することで、日本モータースポーツ界の活性化したい。GTに関しては従来の耐久レースにはない形にし、お客さんには、音や匂いを堪能してもらう」とコメント。
中嶋氏は、「Fニッポンは創設15年目を迎える記念すべき年に、GTA、富士スピードウェイトともにモータースポーツファンの皆様に素晴らしいニュースをお伝えできることを大変嬉しく思っています。私ども三団体は、モータースポーツをさらに元気にするための第1歩として本大会を位置付け、シリーズ戦にない新たな醍醐味を提供していきます。グランドツーリングカーもフォーミュラーカーも楽しめる画期的な一日になると期待しています」とした。
最後に加藤氏は、「富士スピードウェイは1963年の会社創立以来、数々のモータースポーツの舞台となっておりますが、2005年春にリニューアルオープンしてから、おかげさまで今年は5周年を迎えることができました。こうした節目の年に、日本を代表する2大プロモーターと大きなイベントを開催できることを大変嬉しく思います。お客様に心からご満足いただけますよう、大会に向けて努力します。今は大変力が入っています」と述べている。
質疑応答では、まず「ドライバーに賞金は出るのか」という質問に対し、坂東氏が「やるよ」とべらんめえ調の親分ブシを炸裂させ、報道陣も爆笑。
また、GT500の多くとGT300の一部のドライバーが、Fニッポンとエントリーが被っていることに対しては、「賞金をやるんだから、被っても文句は言わせない。1日2回走って文句を言うなら、走るな」とこれまた若手ドライバーなら直立不動で「がんばります!」と即答したくなるようなコメント。同じ質問に対して、中嶋氏も回答し、「各カテゴリーともにいつもより距離は少ないから、2回走っても問題ないでしょう」と回答している。
また、GTAからのアプローチであることから、JRPと富士スピードウェイにメリットがあるかの質問も。中嶋氏は、「お客さんに両カテゴリーを見てもらえることがメリットだと思う。片方しか見たことがないという人も多いし、自動車業界が寂しい状況なので、あとで良かったなと思えるようになればと」。加藤氏は、「三社がすべて損したとしても、業界全体でハッピーになれるように、活性化をしようと。チケットなどは今後の協議になります」とした。
かつてのドライバーが参戦できるか否かに関しては、坂東氏はGTは空きがないとする。しかし、「トヨタさんの『LF-A』とか持って来ちゃえば、乗せられるかも」と、関係者が慌てていそうな発言も。一方で中嶋氏は、エントリー台数が減って「FN09」に余剰があることから、タイヤ交換や給油などがないレースでもあるので、「アイディアとして、乗せることは可能」とした。