7日におこなわれたフォードのキーノートスピーチでアラン・ムラーリ会長は、次世代の「SYNC」をベースとしたドライバーコネクトテクノロジー「MyFord Touch」を披露した。
SYNCはマイクロソフトの車載プラットフォーム「Microsoft Auto」をコアとしているが、2007年の登場後、アップデートによりさまざまな機能追加がなされてきた。
ムラーリ会長は、「2007年に投入したSYNCの成功により、フォードの戦略が正しいものだと言うことが明らかになった。例を挙げれば32%をSYNCを購入動機のひとつとして挙げ、81%は他人に勧めたいと答えており、ユーザーの63%がボイスコマンドを利用している」とSYNCの成果を強調する。
MyFordのポイントとしては、ドライバーズUI(ユーザーインタフェース)の刷新とコネクティビティ(通信連携機能)の強化が挙げられる。
UI面では、「ドライバーの注意をそらすことを最小限に抑える」をことを最大の目的として室内空間を再設計し、ナビ単体のみならずインテリアと入力インターフェースが統合された。十字キー+決定ボタンの5ウエイの操作キー、8インチのタッチディスプレイ、そしてボイスコマンドでの入力が可能。メーター部分には4.2インチのサブディスプレイが2つ設置され、空調や電話機能、タコメーター等各種の情報が表示できる。利用比率の高い音声入力は音声認識のソリューションを手がけるニュアンス・コミュニケーションズ(NUANCE)と共同で開発し、精度向上に取り組んだという。
ドライバーコネクティビティについては、BluetoothとWiFiを車載器に内蔵し、駐車時にはWiFiによってナビゲーションに搭載のOpera製ブラウザでWebブラウジングが可能。また、センターコンソールに2つのUSBスロット、SDカードスロット、RCA AVジャックを実装する。オプションとしてUSBスロットにブロードバンドモデムに対応する。
また同時に、スマートフォンと連携するためのSYNCのAPI公開とSDK開発ツールの提供をアナウンスした。PandraやTwitterなどが近い将来リリース予定とのことで、これらが実現すれば、USBやBluetooth、そしてWiFiを通じてSYNCとスマートフォンで連携し、ボイスコマンドを通じての「投稿」や「ネットラジオの選局」が可能になる。
新型SYNC搭載は2011年モデルのフォード『Edge(エッジ)』とリンカーン『MKX』。なおリンカーンブランドではサービス名は「MyLincoln」となる。