米国IIHS(道路安全保険協会)は18日、高い衝突安全性が認められる「2010トップセーフティピック」全27台を発表した。メーカー別ではスバルが5車種と最多。フォルクスワーゲン、ボルボ、クライスラーが...
【神尾寿のアンプラグド試乗編】ACCやプリクラッシュなど先進装備の充実に期待…ゴルフ ヴァリアント
もうひとつVW『ゴルフヴァリアント』の魅力が「走りのよさ」だ。これはTSI+DSGの特長でもあるのだが、フォルスワーゲンのエコ技術は、エンジンのパワー感やダイレクト感を犠牲にしないよう腐心されている。
◆トレンドラインでも力感十分
筆者は今回、ゴルフヴァリアントの「TSIトレンドライン」と「TSIコンフォートライン」に試乗したが、どちらも排気量1.4リットルの小排気量エンジンとは信じられないほどのトルクがあり、中間加速も鋭い。7速DSGの変速はとてもスムーズであり、応答性がよく、ベーシックグレードのTSIトレンドラインでも“もっさり”したところは微塵もなかった。
またバッテリーやモーターという重量物を搭載しないことも有利に働き、コーナリング時の挙動はハイブリッドカーよりも素直で好ましい。エコなファミリーカーという顔を持ちながら、ロングドライブから峠道までしっかりと、楽しく走ることができるだろう。
一方、「使い勝手」では、ステーションワゴンならでの魅力であるラゲージルームが特長になるだろう。ゴルフヴァリアントの荷室は基本容量が505リットルで、内面の張り出しも少なく、使い勝手はかなりよい。さらに後席を倒せば1495リットルの大容量空間が生まれる。これだけあればIKEAで家具を買って持ち帰る、といった場面にも十分に対応できるだろう。
ラゲージルームの機能としては、スライディングカバーやハーティションネットが標準で用意されており、使い勝手や安全性の面でも合格点。贅沢をいえば、BMWのステーションワゴンのようにハッチドアの窓だけ開閉できる仕組みが欲しかったくらいである。
◆安全装備は合格点。一方で物足りない先進装備
一方、安全装備は21世紀のクルマとして必要十分なものが備わっている。後席サイドエアバッグやカーテンエアバッグも含む合計8個のエアバッグやESP(横滑り防止装置)標準搭載は当然として、衝突時のシートベルトテンショナー(自動巻き上げ装置)、緊急ブレーキ作動状態を後続車に知らせるエマージェンシーストップシグナルなど、基本的な安全装備は十分に揃っている。
しかし、その一方で、プリクラッシュセーフティシステムなど先進予防安全装置はオプションでも用意されていない。プリクラッシュセーフティシステムは、トヨタの「プリウス」にもオプション設定されており、今後注目の先進安全システムのひとつだ。こうした先進安全装備は輸入車でもメルセデスベンツやボルボが積極時に導入に取り組んでいる。価格帯やニーズの課題はあるだろうが、今後、フォルクスワーゲンでも採用してほしいところである。
◆ロングドライブ向きのゴルフこそACCのオプションを
また、先進装備という点では、「ACC (アダプティブクルーズコントロール)」の設定がないことも物足りなく感じた部分である。周知のとおり、ACCはセンサーやカメラで前方車両との距離を測りながら、一定間隔・設定速度で追従走行をするというもの。最近では低速から高速までフルレンジでカバーするシステムも登場しており、高速1000円化以降、ロングドライブの需要が伸びる中で注目の先進装備のひとつになっている。
しかし、ゴルフヴァリアントには(前方車追従システムのない)クルーズコントロールは用意されているものの、ACCの設定はない。商品コンセプトを鑑みると、ACCはロングドライブを狙うゴルフヴァリアントのキャラクターと相性がいいはず。レーダーセンサーなど必須デバイスの低価格化により、最近では比較的安価にACCがオプション設定できるようになっている。こちらも今後のゴルフやゴルフヴァリアントに用意してほしいアイテムである。
さて、このように一部で物足りなさもあったが、新型ゴルフヴァリアントは「エコと走りとユーティリティ」のバランスが秀逸。先代ゴルフヴァリアントよりアクの抜けたデザインは、飽きずに長く乗ることができる。エコカーのバリエーション拡大という点でも、新型ゴルフヴァリアントは注目の一台だ。
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