フォード、ボルボの売却先を中国吉利汽車に絞り込み

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フォードモーターは28日、傘下のボルボカーズの売却に関して、中国の吉利汽車(ジーリー)に優先交渉権を与えたことを明らかにした。今後、フォードと吉利は最終合意に向けて、交渉を詰める。

フォードはリストラの一環として、傘下のPAG(プレミアム・オートモーティブ・グループ)ブランドの売却を進めてきた。すでに、アストンマーチンは英国プロドライブ社のデビッド・リチャーズ会長らの投資家グループへ、ジャガー&ランドローバーはインド財閥系のタタグループへ、売却された。残るボルボについては、複数の相手と売却交渉を進めてきたが、このほど、吉利汽車が最終候補に絞り込まれた。

吉利汽車は中国・浙江省に本拠を置く民族資本のメーカーで、規模としては国内10番目程度。1986年に設立され、1997年から自動車事業に参入した。2003年からは、海外市場への輸出も開始している。

フォードのルイス・ブース上級副社長兼CFOは「吉利なら、ボルボのバリューやスウェーデンブランドの個性を維持しつつ、よりよい方向へ発展させられると確信している」とコメントした。

フォードはボルボの売却後も、販売面などで一定の協力関係を保つ計画。ただし、資本面での関係は維持しないという。売却見込み額については公表されていないが、米国メディアは20億ドル(約1800億円)程度との観測を報じている。

中国メーカーによる買収といえば、GM傘下のハマーを四川騰中重工機械に売却することが、9日に決定したばかり。ボルボも中国メーカーの下で、新たなスタートを切ることになりそうだ。

《森脇稔》

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