ルノーは15日、フランクフルトモーターショーで『カングー』をベースにしたEV、『カングーZ.E.コンセプト』を発表した。Z.E.とはゼロエミッションの略。ルノーは、都市部から郊外までをカバーするEVを提案する。
ルノーは5月6日、パリで開催された決算発表会において、『カングーBEBOP』がベースの電気自動車、『カングーZ.E.』を初公開。ルノーと日産が共同開発したEVで、2011年の市販を予定しており、すでに欧州で実証実験を開始している。
今回はカングーBEBOPの兄弟車、カングーをベースにしたEVを開発。カングーZ.E.コンセプトは、さらに進化したEVシステムを搭載する。
トランスミッションの場所に置かれるモーターは、最大出力70ps、最大トルク23kgm。これはカングーZ.E に対して、10ps、3.6kgmの出力アップだ。
2次電池は最新のリチウムイオンバッテリー。車両重量は1520kgと70kgの軽量化を達成した効果もあって、カングーZ.E.コンセプトは、最高速130km/h(リミッター作動)、最大航続距離160kmの実用性を確保する。最大航続距離は60km伸びた計算だ。充電は家庭用のコンセントなら約4 ‐ 5時間。充電ステーションのクイックチャージャーなら、約20分で完了する。
外観は熱反射効果の高い淡いブルーメタリックの専用ボディカラーを採用。ドアパネルには、バッテリー残量から計算した航続距離が表示され、乗車前に充電が必要かどうか、車外から確認できる。バンパーにはポリウレタンジェルを使い、軽い接触から車体を保護。対歩行者安全性にも配慮している。
ヘッドライト&テールランプは消費電力が少ないLED化。21インチのアルミホイールも空気抵抗に配慮したデザインだ。ルーフにはソーラーパネルを装備し、車内の空調用電源に利用。ソーラーパネルにはリアビューカメラが取り付けられ、全方位の視界を確保した。
室内は大人4名が乗車するのに充分なスペース。インパネのタッチスクリーンモニターには、ナビゲーションや最寄りの充電ステーション、バッテリーやモーターなどの状態を表示する。
ルノーは今年のフランクフルトに、4台のEVコンセプトを出品した。4ドアセダンEV『フルエンス Z.E.コンセプト』、クーペタイプの街乗りEV『Zoe Z.E.コンセプト』、超小型シティコミューターEV『トゥイジーZ.E.コンセプト』、そして、このカングーZ.E.コンセプトだ。2011年の市場投入時には、ルノーがフルラインEVメーカーになっていても、不思議ではない。