光岡自動車は15日、『大蛇』『卑弥呼』の2010年モデル発表会(東京・芝大門)において、同社の中国への本格的進出について説明し、海外へ販路開拓を狙う同社の前に立ちはだかった商標問題についても言及した。
同社は、2005年の上海モーターショーでのフラッグシップモデルなどの展示を機に、商標について調べてみたところ、すでに「光岡」と「MITSUOKA」が上海の自動車部品メーカーによって1998年に登録されていたことが判明した。
同メーカーと光岡自動車との関りはいっさいなく、同社は「我々が実態のある正当な該当権利者である」ということを中国商標局に対し告げ、このメーカーの登録商標の取り消しを申請してきた。
しかし、返還を求める交渉において、同メーカーから多額の買い取り請求を受けたという。同社はこの件について2007年に提訴し、2009年7月に「先方(同メーカー)権利の無効」の決定を受け、現在、光岡自動車側が“本家”として登録申請中だと説明した。
同社はこうした事態を乗り越え、2010年度から中国へ本格的に進出。北京モーターショーを機に、アジア・中東にショールームの開設と、タイにおける現地改造生産を目指していることも明らかにした。
「アジア・中東で10か所ぐらいにショールームを設け、2010年の海外販売目標台数を100台以上としたい。またタイでの現地改造生産については、(現地で生産されるクルマをベース車とすることなどで)大幅なコスト削減が期待できるので、価格的にも競争力のある商品を出せる」と同社は話していた。