欧州新車販売、14か月ぶりに増加…6月実績

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欧州新車販売、14か月ぶりに増加…6月実績
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ACEA(欧州自動車工業会)は15日、6月の欧州全域(EU+EFTA全28か国)の新車販売結果を公表した。総販売台数は146万1859台で、前年同月比は2.4%増と、14か月ぶりに前年実績を上回った。欧州10か国で導入しているスクラップインセンティブが、高い効果を発揮した形だ。

欧州5大市場では、ドイツが絶好調。6月は42万7111台を販売し、前年同月比は40.5%増と6か月連続のプラスを維持した。9年以上保有している古い車を一定の基準を満たした低公害車に代替する際に、最大2500ユーロ(約33万円)を補助するスクラップインセンティブの効果が続く。1 - 6月累計でも26.1%増の205万9405台と、ドイツの新車販売は、スクラップインセンティブによって完全に立ち直った。

5大市場のドイツ以外の国、フランス、イタリア、英国、スペインも同様の補助金制度を順次導入。フランスは前年同月比7%増の23万5137台、イタリアは12.4%増の20万9315台と回復。しかし、英国は15.7%減の17万6264台、スペインは15.9%減の9万6706台と、インセンティブ導入の遅れが響いた。

主要9社の販売実績は、1位のフォルクスワーゲングループ(アウディ、セアト、シュコダなどを含む)が、前年同月比12.4%増の29万2957台と2か月連続のプラス。VWブランドが14.3%増の16万0967台、アウディブランドが7%増の6万1632台、シュコダブランドが15.8%増の3万6894台、セアトブランドが10.4%増の3万3251台と、そろって好調だ。

2位のPSAプジョーシトロエンは、前年同月比6.6%増の18万4783台。その内訳は、プジョーが4.5%増の9万7187台、シトロエンが9%増の8万7596台と、両ブランドともに持ち直した。

3位のフォードグループ(ボルボを含む)は、4%増の13万8978台。5月の6位から4位へ浮上したルノーグループ(ダチアを含む)は、8.5%増の13万0352台。ルノーブランドは3.2%減だが、ダチアブランドは181.9%増の2万1480台と、驚異的な伸び率を示している。

5位のGMグループ(オペル、シボレー、サーブを含む)は、5.6%減の12万5884台と不振。しかし、シボレーブランドだけは24.4%増の1万8848台と、3か月連続のプラスを維持した。

6位のフィアットグループ(ランチアやアルファロメオを含む)は、12万0479台を販売。前年同月比は13.2%増と3か月連続のプラスだ。ブランド別では、フィアットが13.5%増の9万6117台、ランチアが16.6%増の1万2450台と、牽引役を果たす。

7位のBMWグループ(MINIを含む)は、前年同月比10.8%減の7万4139台。8位のダイムラー(メルセデスベンツとスマート)は、2.3%減の6万8970台。9位のトヨタグループ(レクサスを含む)は、2.5%減の6万0036台と、完全回復とは言いがたい状況だ。

韓国メーカーでは、ヒュンダイが3万1766台を販売し、前年同月比は32.1%増と5か月連続のプラス。キアも12.8%増の2万1202台で2か月連続のプラスと、韓国2社は好調である。

また日本メーカーでは、日産が前年同月比12.9%増の3万1366台、スズキが14.5%増の2万2459台と回復。しかし、ホンダは2.2%減の2万0532台、マツダが19.9%減の1万7195台、三菱が5.7%減の8739台と、明暗が分かれている。

欧州新車市場の今年上半期(1‐6月)実績は、前年同期比11%減の742万5762台。米国の480万8838台(35.1%減)、日本の218万6738台(21.5%減)に比べると、回復基調にある。やはりスクラップインセンティブの効果が大きいといえる。

《森脇稔》

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