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【池原照雄の単眼複眼】暫定税率撤廃、与党はどうする?

2009年7月8日(水) 15時48分
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◆民主党マニフェストの目玉に

8月の投票が濃厚となってきた総選挙で民主党が政権を獲得すると、クルマに関連する税金が2010年4月から大幅に軽減される。

クルマや燃料に課税されている5つの税金の暫定税率が撤廃されるからだ。ユーザーには朗報となるが、今年度から3か年の予定で与党が始めたエコカー減税との整合性など気になる点もある。与党は暫定税率撤廃への“対抗策”を早急に明示すべきだ。

民主党は総選挙のマニフェスト(政権公約)に、08年度まで道路特定財源とされてきた税金の暫定税率を来年度から撤廃する方針を掲げる。暫定税率については、昨年春に民主党など野党の反対で暫定税率の延長ができず、4月に撤廃されたことがある。

ガソリンの値段が一気に25円程度下がったので、記憶に新しいところだろう。この時は結局、与党の再可決により5月から暫定税率が復活、ひと月だけのまさに春の椿事に終わった。

今回の総選挙で政権奪取が現実味を帯びてきた民主党は、この暫定税率撤廃を高校授業料の実質無償化などとともに、マニフェストの目玉とする方針だ。実現すれば、ガソリン税(揮発油税と地方道路税)は1リットル当たり53.8円から28.7円と約25円の減税となる。


◆HVはエコカー減税の方が有利

また、クルマに課税される自動車取得税は税率が5%(登録車)から3%に、自動車重量税については税額が約6割も少なくなる。例えば車両重量が1t超1.5t未満の小型車クラスでは、新車購入時に納税する3年分の重量税は5万6700円から2万2500円へと3万4200円軽減される。

今年4月から実施されているエコカー減税では、環境性能によって50%、75%、100%(免税)の3段階で、取得税と重量税が軽減されているが、暫定税率が撤廃されればすべてのクルマが減税対象となる。新車のみならず中古車も車検時に徴収される重量税が6割軽減されるのだ。

もっとも、現行のエコカー減税ではハイブリッド車(HV)など「次世代自動車」については、このふたつの税金が免税(重量税は初回の新車購入時のみ)となるので、暫定税率の撤廃よりも新車購入時の減税幅は大きい。


◆このままでは民主優勢の流れ

エコカー減税は今年度から11年度まで3年間の措置として始まった。民主党が政権を奪取した暁に、この減税策をどう扱うかは現時点では不明だが、暫定税率を撤廃しておいて、暫定税率を前提にしたエコカー減税も並存というわけにはいかないのではないか。

総選挙までの焦点は現与党が、この問題でどう対抗策を打ち出すかだ。まさか、3年間のエコカー減税で十分ということはなかろうが……。これらの税金は道路特定財源が今年度から一般財源化されたことで、「受益者負担」という課税根拠は失われている。

少なくとも重量税については廃止するという思い切ったマニフェストを打ち出さないと、クルマ関連税に敏感な国民は民主党に流れるのではないか。

《池原照雄》
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