新型『レガシィ』の2.5リットルNAモデル「2.5i」には、新開発のCVT(無段変速機)「リニアトロニック」が組み合わされる。河口湖から三鷹まで走らせてみたところ、燃費は20.1km/リットルとライバル車を圧倒する数字を記録した。
チェーン式CVTであるリニアトロニックは、変速比が最も大きくなるときと最も小さくなるときの比率であるオーバーオール変速比が6.3に達する。最新のものでも6には到達していない金属ベルトCVTに対するアドバンテージは大きい。そればかりか、変速機全体で見ても、レクサス『LS』などに搭載されるトヨタの8速AT、日産『スカイラインクーペ』の7速ATに次ぐスペックだ。無段変速機は変速は自在だが変速レンジが狭いというデメリットもすでにない。
このリニアトロニックを搭載した新型「レガシィ2.5i」を、河口湖から三鷹まで走らせてみた。往路と異なり、標高差750mを駆け下ることになるため、燃費面では有利な条件であるが、90kmの間に途中1回のサービスエリアストップ、追い越し車線と走行車線の中間程度のペースで走った結果、燃費は20.1km/リットル。
10・15モード燃費も14km/リットルと優秀だが、高速巡航はとりわけ得意なようだ。AWD(全輪駆動・4WD)でありながら、FWD(前輪駆動・2WD)のトヨタ『カムリ』、ホンダ『アコード』、マツダ『アテンザ』などのライバルを圧倒する燃費性能である。
新型レガシィはスタイリング、パッケージングとも、これまでのスバル車とはテイストを大きく異にするが、地味に丁寧な設計を行うという伝統はしっかり守られているようだ。