アウディは23日、『A4』に「2.0TDIe」を設定した。欧州複合モード燃費21.7km/リットル、CO2排出量119g/kmというクラストップレベルの環境性能が売りだ。
アウディは環境性能に特化したモデルを「eシリーズ」として展開。eはエフィシエンシィを意味し、エンジンの性能向上だけでなく、各種抵抗を徹底して減らすことで、燃費やCO2などの環境性能を改善している。
すでにeシリーズは『A3』『A6』『A8』に用意。A3の「1.9TDIe」は欧州複合モード燃費とCO2排出量が、それぞれ22.2km/リットル、119g/km、A6の「2.0TDIe」は18.9 km/リットル、139g/km、A8の「2.8FSIe」は12 km/リットル、199g/kmと、いずれもクラス最高水準の環境性能を誇る。
eシリーズとしては4番目となるA4の2.0TDIeは、2.0リットル直4ターボディーゼル「TDI」(136ps)を搭載。6速MTとの組み合わせで、0-100km/h加速9.5秒、最高速215km/hの過不足ない性能を発揮する。
この2.0TDIeは、アイドリングストップ機能を専用装備。車両が停止した時、ギアをニュートラルに入れ、クラッチペダルから足を離すとエンジンが自動的にストップ。クラッチを踏み込むと、エンジンが始動する。これにより、燃費は最大0.9km/リットル、CO2排出量は最大5g/km削減した。
徹底して抵抗を減らしているのも特徴。タイヤは低転がり抵抗仕様の205/60R16サイズ。車高は20mm低められ、アンダーフロアのフラット化やラジエーターグリルのフラッシュサーフェイス化が図られた。6速MTのファイナルレシオは5%アップ。専用エンジンマネージメントや制動時にオルタネーターを回してエネルギーを回収する回生ブレーキも採用された。
また、インパネのドライバーインフォメーションシステムには、シフトアップインジケーターと燃費履歴表示が備わる。アウディによると、両者をうまく利用することで、燃費は最大30%高めることが可能だという。
これらの専用チューニングの結果、A4の2.0TDIeは、セダンが欧州複合モード燃費21.7km/リットル、CO2排出量119g/km、アバントが20.4km/リットル、CO2排出量129g/kmというクラストップレベルの環境性能を実現。アウディのMichael Dick技術開発担当取締役は「エフィシエンシィはすべてのアウディ車に標準装備しているが、中でもA4の2.0TDIeはとくに効率性を追求したモデルとなる」と語っている。
A4の2.0TDIeは、欧州で6月上旬から販売開始。価格はセダンが3万800ユーロ(約400万円)から、アバントが3万2800ユーロ(約426万円)からとなる。