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ゼンリンデータコムのカーナビアプリ いつもナビ・GPSユニット を試す…会田肇

2009年3月30日(月) 18時38分
汎用の車載用取り付けキットに「EM・ONEα」を組み込んで装着してみた。ちょっと大袈裟な感じがするので、もっとスマートな取り付けキットが欲しい(ガラス面への装着は撮影のために行っています)の画像
「いつもナビ・GPSユニット」のメインメニュー。すべてタッチパネル操作となり、アイコンのサイズもちょうど良い。の画像
電話番号による検索は公共施設やドライブ関連施設など約50万件にとどまる。データがなくても市外局番によるおおよその場所は示されるので、これを上手く利用するといい。の画像
周辺検索は表示した地図の中心点から探す。この表示は[飲食]を選んで表示したもので、次のカテゴリを選ぶことでリストが表示される。の画像
追加できる中継地点は最大5箇所まで。最終目的地を含めれば1ルートで最大6箇所までの目的地が設定できることになる。の画像

◆情報通信端末向けインストール型ナビアプリの登場

手軽にカーナビが楽しめるPNDに人気が集まる中、昨年からカーナビ界に新たな動きが見えてきた。それは携帯端末にナビアプリをインストールして利用する方法だ。

昨年暮れに地図メーカーであるインクリメントPが情報通信端末「WILLCOM D4」用としたナビアプリ『Mapfan Navii』を発売し、NAVITIMEもこの春に通信対応カーナビを自社エンジンとして発売する意向を示している。そんな中、携帯電話などに地図関連コンテンツを提供しているゼンリンデータコムは、イーモバイルの情報通信端末「EM・ONEα」向けのナビゲーションアプリ『いつもナビ・GPSユニット』の販売を3月6日より開始した。


◆データサイズは約2GB

情報通信端末用ナビアプリとなれば、目的地などの検索データをサーバーへ取りに行く“サーバークライアント型”を連想しがちだが、本アプリは2GBのマイクロSDカードに収録した地図データのみを使って動作する完全なローカル型となっている。そのため、通信エリア外であっても何の不都合もなく利用できる。イーモバイルは、現在でも地方でのサービスエリアにまだ不安が残るのは否定できない事実。ローカルで動作する本アプリは、最新データの取得こそできないものの、場所を選ばず均一の使い勝手が得られるというメリットを優先したものとも言える。

2GBに収録されたナビアプリのポイントは3つ。充実したルート探索機能、見やすくわかりやすさを重視した案内機能、そして2GBとは思えない多彩な目的地検索機能である。


◆機能面ではPNDと比べて遜色なし

ルート探索機能は一般的なPND並みに扱えると言っていいだろう。出発地は現在地のみの設定となるものの、中継地点は最大で5箇所まで、探索条件も有料道路の有無、車種の設定などが行える。ルート探索を終えると全体のルートが表示され、そこには全ルートの距離、到着予想時刻、高速道路を使った場合の料金を表示る。さらに時間帯規制や季節規制を考慮したルートが探索できるなど、機能面では多くのPNDと比べても遜色は感じないレベルにある。ルート探索に要する時間も100km程度で5 - 6秒とまずまず。探索後はシミュレーションモードでルートの確認も出来る。

ルート案内中のガイドは、分岐点に近づくと交差点付近が拡大され、そこには交差点名を表示し、小さめではあるがランドマークも行う。走行中は方面案内看板が進行方向を色塗りで表示するなど、案内はそこそこに使いやすく仕上がっている。ただ、分岐点周辺をリアルな3D表示とするのは都市高速(都内は首都高速)入口でのみの表示となるようだ。一方で高速道路走行中は、分岐点や出口で車線数まで把握できる詳細な拡大図が利用できる。音声案内は基本的に右左折を中心としたもので、これに高速道路上での合流案内が加わる。「EM・ONEα」を使った音声案内は小さいスピーカーながら音量レベルは十分で、声質を問わなければ実用上は十分な範囲にあると思っていいだろう。

収録した検索データの内容は2GBという容量が影響してか今ひとつ物足りない。目的地は収録した「住所」「ジャンル」「名称」「電話番号」「郵便番号」、それに「周辺検索」の各データから探し出せる。しかし、住所は対象が住居表示であれば「丁目・番・号」までのピンポイントで表示するが、“大字”エリアでは「番地」レベルまで。また、電話番号はゼンリンデータコムによれば収録したデータは約50万件程度で、主要な公共施設やドライブに関連する施設に限られる。周辺施設は必要と思われる内容は揃えるものの、ロゴマーク等や各施設の詳細までは表示しない。把握している手がかりを十分活かした上で利用することが求められる内容と言える。


◆SiRFstar IIIによる測位は優秀

そんな中で高く評価できるのが測位精度の高さだ。付属のGPSレシーバーにはGPSチップセットとして高い評価を得ている『SiRFstar III』を採用。これが功を奏したのか、都内を走行していてもかなり安定した測位状況を示したのだ。まれにずれることがあっても、修正が早いのでそれほど不安は感じない。ただ、付属のGPSレシーバーはBluetoothで通信をしながら測位データを送っているため、連続で使用できるのは最大で10時間程度。2〜3時間のドライブを行う程度なら十分だが、ちょっとロングドライブに出掛けるとこの利用環境に物足りなさは感じるかもしれない。いざという時にバッテリー切れとなってしまっては意味がないので、予備電池(リチウム電池)は用意しておいた方がいいだろう。

それと不安なのが「EM・ONEα」を車載用として使うために解決すべき課題がいくつか残っていることだ。電源系で車載用アダプターが用意されていないため、現状では付属のACアダプターを車載用ACインバーターを組み合わせて対応するのみだ。これでは煩わしくて仕方がない。さらに車載取り付けキットが専用品として用意されていないも残念だ。今回の取材では汎用の取り付けキットで行ったが、収まり具合は今ひとつだし、何よりもダッシュボード上に取り付けるには少々大袈裟過ぎる。この辺の対応は早急に行うべきだろう。また、「EM・ONEα」本体に起因することだが、モニターの反射がキツメで日中の日射しが強いときは日陰などを作ってやらないと視認性は大きく下がってしまう。車載キットにはフードなどを付属するなどの対応が必要とも感じた。


◆PNDか、ナビアプリか

アプリとしての出来だけを見れば、『いつもナビ・GPSユニット』はかなり高いレベルにある。検索データの少なさを除けばルート案内時の安心感はPNDと比べても遜色がないし、価格が2万9800円なのは現在販売されているPNDよりは十分に安い。「EM・ONEα」を使っていて、それを活かした使い方を考えている人には新たにPNDを購入するよりはお得となるだろう。ただ、新規にPNDを購入したいと思っている人にとっては新たに「EM・ONEα」を購入しなければいけないし、トータルコストでも魅力度はかなり低くなる。そうしたせめぎ合いの下で、自分にとってどっちが得かを考慮の上、選択すべきアプリなのだと思う。

《会田肇》
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