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有機EL採用PNDの実力は? トライウイン DTN-V001…会田肇

2009年2月12日(木) 14時01分
トライウイン DTN-V001 ダッシュボード上に取り付けたDTN-V001。画面右側がファンクション切り替え、左側がボリュームを受け持つ。取り付けキットは、取り外しが自在な吸盤式を採用。の画像
トライウイン DTN-V001 システムのメインメニュー。ここでナビモードやAVモードなどへの切り替えが行える。ワンセグにははカーナビモードでも切り替えられる。の画像
トライウイン DTN-V001 交差点拡大図はルート案内中でも表示しない。代わりに車線ガイドや交差点での進行方向を表示。分岐点を「↓」で表示するのでポイントがつかみやすい。の画像
トライウイン DTN-V001 ビル街で使用すると、このように自車位置を大きく外して測位する場面に遭遇する。復帰も遅めで、その状態で再探索がかかってしまうことも少なくない。の画像
トライウイン DTN-V001 高速道路に入ると、画面右側にはこのハイウェイモードを表示。各施設までの距離が一目でわかり、高速道路での利用にはとても便利な機能だ。の画像

従来の液晶に代わる次世代ディスプレイとして、今もっとも注目されているのが有機ELだ。本機はその有機ELパネルを採用した初のPNDである。


◆有機EL採用により14mmの薄型ボディを実現

有機ELのイイところは、高いコントラスト比や優れた発色を備えながら、何よりも自発光によるバックライトを必要としない構造が省電力、薄型化に大きなメリットをもたらすこと。バックライトが不要となれば、その分だけ厚みを軽減できるし、消費電力の節約にもなる。まさに有機ELはエコロジーを求める現代社会にピッタリの次世代ディスプレイというわけだ。

それだけに本機は本体の厚みが極めて薄くできている。その厚みはわずか14mm! 画面サイズこそ4.1型ワイドにとどまるけれど、従来の液晶パネルだったらこのサイズでもここまで薄くはならないだろう。ピアノブラック調の光沢のあるボディはとても高級感があり、これならダッシュボードの上にセットアップしても見栄えもイイ。

取り付け用キットも、粘着テープではなく取り外しが自在な吸盤タイプを採用。そのため、取り付けはレバー操作一つで済む簡単さで、その上、吸着力もかなり強力なので取り付け後の剛性も十分にある。ただ、取り外した後で吸盤の跡が残ってなかなか消えないのは気にはなった。


◆UIは総じて使いやすい部類

操作スイッチは、右側にファンクション系が、左側にボリューム系スイッチが備わる。スイッチは少々堅めではあるものの、押しやすいサイズなので使いにくさは感じない。また、ディスプレイにはタッチパネル機能も備えており、ファンクションの切り替え、ボリューム操作以外はすべて画面に表示されたアイコンをタッチして操作する。

ナビモード時は画面上に表示される「メニュー」を押せばすぐにメニュー画面へと切り替わるし、地図のスケール切り替えもスムーズだ。ただ、目的地設定の画面は2ページにまたがっており、切り替えるアイコンも他のアイコンと同じデザインなので最初は見落としがち。できれば違うデザインで用意した方が良かったのではないだろうか。



◆4GBメモリ搭載、住所検索データは3450万件

本体に収録されたメモリは4GBと、最近登場したモデルとしては標準的なものだ。住所検索データは約3450万件、電話番号検索データは約800万件を収録し、全国にわたってほぼピンポイントで対象地が探し出せる仕様になっている。もちろん、ジャンルやキーワードを使っての検索にも対応し、周辺検索では全19件のカテゴリーから近い順に表示することが可能。地図はPNDとしては少ない市街地図も表示するなど、かなり充実した内容となっていることも見逃せないポイントだ。

ルート探索では探索条件として4種類(おすすめ検索、高速優先検索、一般優先検索、距離優先検索)が指定できる。探索後はルート全体を一覧したり、デモモードでの確認も行えるなど、標準的な機能はほぼ網羅している。


◆ルート案内は分かりやすいが、中心市街での測位に不安

ルート案内時も十分にわかりやすくできている。交差点では進行方向を音声と共に交差点拡大図や車線ガイドによって示し、高速道路入口では美しい3D・CGでその周辺を表現。高速道路に入るとICやSAをリストとして表示も行った。

しかし、一般道での交差点拡大図を表示する場所は少なめで、その時は代わりに進行方向を示す矢印を画面右下に表示。このあたりのサポートは良くできている。

動作もきびきびとした動きが感じられ、操作フィールはとても気持ちがいい。一方で不安なのは都心での測位能力である。郊外ではほとんど問題がなかったのに、ビル街に入ると自車位置が不安定になり、ルート案内が正しく機能できなくなる現象がたびたび見られたのだ。おそらくマルチパスの影響をそのまま反映してしまったものと思われるが、ビル街でのナビ能力は時として不安な思いに駆られそうだ。


◆有機ELならではの美しい映像表現は魅力

魅力を感じたのが表示能力の高さを活かしたAV系の表示能力。本機ではワンセグ受信をはじめ、多彩なAVファイルの再生に対応している。たとえば、とかく粗が見えがちなワンセグなのに、黒が締まって見えているせいか、本機ではつややかに表現されて今までになく美しい映像として見せる。

受信能力はちょっと低めなようで、郊外での受信はちょっと辛くなる。また、出荷時の設定ではGPS電波の受信と連動して、走行するとワンセグの映像がキャンセルされる。しかし、設定メニューで「安全運行設定」をOFFにして走行中でもワンセグが見られるように設定は可能だ。ただ、この方法は安全上から多用するのは避け、本機に備えられた録画機能で対応すべきだろう。

音楽ファイルに対してはMP3、WMA、WAV、OGGに、動画ファイルはMPEG1/2/4、WMV、AVIに対応して再生。静止画はJPEG、BMPが表示できる。このファイルは収録済みのSDメモリーカードから読み出し、最大4GBまで対応しているようだ。

気になったのは本体から出力される音声はかなり小さめなこと。一応ステレオ再生に対応はしているが、MAXまで上げても十分なサウンドレベルにまでは到達しない。これはナビ機能での音声案内でも同様で、走行音が大きめのクルマだと少々聞きにくくなりそうだ。そんなときは本機にFMトランスミッター機能を活用しするといい。カーオーディオのスピーカーで聞くようにすれば、多少ノイズが混入するものの状況はかなり改善される。


◆郊外での利用がメインとなる人にオススメ

充実した検索データ、市街地図の表示など、PNDとしてのスペックは申し分のない仕上がりだ。今までのPNDとは桁違いの美しさで地図を表示するし、ワンセグやビデオ映像などを見るにもその画質には十分満足できるだろう。

一方で、郊外で使うことが多いと測位能力で不満を感じる可能性は高く、カーナビとしての能力を踏まえれば郊外での利用が中心となる人にオススメしたいPNDと言えるだろう。

《会田肇》
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