ホンダの福井威夫社長は5日のF1レース撤退を表明した会見で、世界的な新車需要の縮小を受け「すべてのビジネスの見直し作業を進めている」と強調した。
同社のブランドやイメージと密接につながっていたF1からの撤退は苦渋の選択だが、「F1と同じ次元」でさまざまな事業計画をふるいにかける方針という。
福井社長は2009年も「世界市場や為替の動向は厳しい状況が続く」とし、「少なくとも当面必要ない生産能力の拡充計画は見直すことになる」と語った。
一方で、新モデルや新技術の開発強化は「緊急を要している」と指摘、『フィット』より小さいエントリーカーやハイブリッド車、および小型ディーゼルエンジンの開発などを急ぐ方針を示した。その際、F1開発に従事したエンジニアが「大きな力を発揮する」と、期待を表明した。