先週末、GMがクライスラーグループの乗用車部門を吸収する話し合いが進められている、と話題になったが、クライスラー資本の80%を保有する投資会社サーベラスは相手がGMでなくともクライスラーの売却を考えていることを明らかにした。
GMとの話し合いについては噂を含め様々な報道がされているが、話し合いは継続しているものの一部では決裂した、との報道もある。
サーベラスからGMに出されたオファーは、クライスラーを売却すると同時に、現在サーベラスが持ち株50%を保有するGMACの残りをGMから買い取る、というものだと言われている。これに対しGMがカウンターオファーを出し、両者の納得する数字が出せないままとなっている。
一方でサーベラスはクライスラー売却について中国のメーカーとも協議中だ。チェリー、SAIC、FAWなどの名前が挙げられている。
しかし中国メーカーは現在アメリカで販売できる車種を持たず、よってクライスラーのディーラー網はそれほど魅力的とは言えない。またGMもクライスラーの販売モデルの過半数がライトトラック系であることから、両者の合併は無意味、という分析もある。
米業界ではクライスラーにとっての理想的な合併相手は日産、と言われているが、今のところ日産側にサーベラスが接近したとの動きはない。
いずれにせよデトロイトベースのメーカーが1つ姿を消すことは確実と見られており、ビッグ3がビッグ2となる激震の米市場の行方はますます混沌としてきた。