PS3用ハンドルコントローラ Driving Force GT…開発者に聞く

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共同開発はいかに行われたか

ルーベン・ムカジー氏はDriving Force GTがポリフォニーデジタル社との共同開発であることを強調した。確かにグランツーリスモ5の新機能搭載と合わせて"リアルタイムアジャストダイヤル"をタイムリーに搭載したり、ダイヤルの操作感は山内氏が持っていたカメラのダイヤルにヒントを得たという話は、両者の密接な関係を伺わせる。では、実際の共同開発作業はどのようなものだったのか。

「1年以上も前。グランツーリスモ5の物理演算プログラムの開発段階から協業しています。実は、今回のホイールのデザインはポリフォニーデジタル社から提案されたものです。ホイール径を11インチに設定した理由は、スポーツカーにもっとも多く採用されているサイズが11インチだからです。試作品を作り始めてからは、定期的にカリフォルニアからエンジニアが試作品を持って来日し、ポリフォニーデジタルで意見を聞きながら内蔵モーターやギアのチューニングをしています」

その共同開発は、ゲーム制作者の要望をハード制作者が叶えるだけではなかった。逆に、ゲームプログラム側をDriving Force GTに合わせてチューニングすることもあったという。

「操舵感の部分では、実際のクルマから受ける最大トルクがDriving Force GTのハンドルの最大トルクと一致しなくてはいけない。最低トルクもそうです。ハンドルの遊びがどれだけ許されるか、など、ハードでは限られたところしか調整できません。そこで、できる限りはハードで調整するけれども、それ以上詰めたところはプログラム側でチューンしています。車種ごとのバランス、タイヤ特性の違いなどです」

Driving Force GTはグランツーリスモ5のために最適化されたドライビングホイールだが、逆にグランツーリスモ5はDriving Force GTのために最適化されたゲームだとも言えそうだ。

「素材も吟味して、リアリティと高性能にこだわりました。例えばホイールを握る部分にはF1カーと同じエラストマーという素材を使っています。ゴムよりもすこしコストが高いですけどね」とムカジー氏は微笑んだ。エラストマーは「Elastic Polymer」つまり弾力性のあるポリマー素材である。ゴムのように軟らかく、プラスチックのように簡単に加工できる。熱で軟らかくなっても、素材の性質は変わらない。

「他社には軟らかなゴムを使っている製品があります。ゴムの感触は店頭で触った時は心地よい。しかし、実際にゲームで走行してみると、そうでもない。ハンドルを握っている手が熱くなりますし、汗もかくでしょう。するとゴムに粘着性が出て、ベタベタした感触になってしまいます。それにゴムは耐久性にも問題があります。熱で軟らかくなりすぎると、ゴムが剥がれやすくなるんです」

フォースフィードバックに関連するモーターやギアなどの耐久性も向上させたという。Driving Force GTは外観だけではなく、中身もかなり違う製品となっている。

Driving Force GTについて、Logitechとポリフォニーデジタルの密接な連携については理解できた。では、開発の仕上げ段階、チューニングの部分はどうだろう。本物のレーサーや、欧米で活躍しているというプロゲーマーも製品のテストに参加しているのだろうか。

「テストについては、山内さん自身がレースドライバーであるし、私も既に申し上げたようにサーキットの経験がありますから、最終的には私たちのチューニングだと言えます。Driving Force GTも『グランツーリスモ』も単なるゲームではなく、ドライビングエンターテイメントと位置づけていますから、ゲーマーの意見よりもカーレーサーの意見をリサーチしています」

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《杉山淳一》

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