伊のカロッツェリア大手ピニンファリーナは4月29日に開催した株主総会で、1億ユーロ(約162億円)の第三者割当増資を可決した。
新株の引受は、フランスの複合企業ボロレ社のオーナーであるヴァンサン・ボロレ氏、インドのタタ社、ブレーキメーカー・ブレンボを所有するアルベルト・ボンバッセイ氏、フェラーリ創業家のピエロ・フェラーリ氏、シートベルトメーカー「サベルト」のオーナーであるマルシャイ家があたる予定だ。
ピニンファリーナは2007年決算で本業では対前年比プラスを維持したものの、資産の評価損などで1億1450万ユーロ(約185億4900万円)にのぼる損失を計上した。
なお増資が実施されても、ピニンファリーナ一族は全株式における保有比率30%以上を維持できる見込みだ。
ピニンファリーナとボロレ社とは2007年12月、電気自動車をピニンファリーナ・ブランドで販売することで合意している。タタ社とは2008年4月24日に、インドに共同でデザイン&エンジニアリングセンターを設立することを明らかにしている。さらにセルジオ・ピニンファリーナ名誉会長は長年フェラーリ社の取締役を務めている。
つまり今回の増資は、新旧のパートナー各位に救いの手を求めたかたちといえる。