三菱重工、次世代リージョナルジェット機を事業化

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三菱重工業は、次世代のリージョナルジェット機MRJ(ミツビシ・リージョナル・ジェット)を事業化することを決定した。

4月1日からMRJ事業を担う新会社「三菱航空機」で、MRJの開発を加速するとともに、世界各国のエアラインへの販売活動を強化する。

日本企業がジェット旅客機の全機組立・販売事業へ進出するのは今回が初めてで、新会社にはトヨタ自動車も出資する。三菱航空機は、MRJの設計と、型式証明(T/C)取得、調達、販売、カスタマー・サポートなどを担う。試作・製造、飛行試験は、三菱重工名古屋航空宇宙システム製作所が行う。

新会社の資本金及び資本準備金は当面、三菱重工が全額出資して30億円で設立、事業が本格化するのに伴って1000億円に増資する計画。このうち、3分の2程度を三菱重工が出資し、残りはトヨタのほか三菱商事、三井物産、住友商事、日本政策投資銀行などの各社が出資する見通し。

本社は名古屋市港区大江町に置き、従業員は当面、約200人体制で始動する。初代社長には三菱重工の戸田信雄取締役執行役員が就任する。

MRJは、世界最高レベルの運航経済性と客室快適性を兼ね備えた70 - 90席クラスの最新鋭小型ジェット旅客機。リージョナル機として初めて主翼、尾翼に複合材を本格的に採用し、新型エンジンの搭載や最先端の空力設計などともに、燃費の大幅な低減を実現するのが売りだ。

2007年10月に正式客先提案を決定、その後の国内外への販売活動で、全日本空輸から25機(うち10機オプション)を受注したのを受けて今回、プログラムローンチを決定、2013年の就航を目指す。

三菱重工は、商社や日本貿易保険(NEXI)などの協力を得ながら海外での販売も拡大し、将来にわたる伸長分野である民間航空機事業を軌道に乗せていくことで、「日の丸ジェット」の発展に寄与していくと、している。

《レスポンス編集部》

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