ヘルメット収納スペースに子供を監禁 パチンコ両親に実刑判決

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今年4月、大阪府能勢町内の山中に長男の遺体を遺棄したとして、監禁致死や死体遺棄の罪に問われた22歳の男女に対する判決公判が3日、大阪地裁で開かれた。裁判所は男に対して懲役8年、女に対して同4年6か月の実刑を命じた。

問題の事件は今年4月23日夕方に発生している。能勢町天王付近の山道に男児の遺体が投げ捨てられているのを通行人が発見、警察に届け出た。

警察では死体遺棄事件として捜査を開始。死亡した男児の親が遺棄した可能性が高いと推測し、2006年1月以降に1−2歳の幼児を連れて家出した親子13組をピックアップしてDNA鑑定を進めたところ、今年1月から家出をしていた21歳(当時)の女と合致。女の立ち寄り先を調べ、兵庫県尼崎市内で身柄を拘束。事情を知るであろう再婚相手だった21歳(当時)の男も同様に拘束した。

事情聴取を進めた結果、「1月31日の午後、バイク(中型スクーター)で買い物に行った際、“置く場所”が無いので、座席下のヘルメット収納スペースに男児を入れた。買い物から戻ってきたら死んでいたので捨てた」と男が供述。女もこれを大筋で認めたことから2人を死体遺棄容疑で逮捕した。後の調べで、男は男児をヘルメット収納スペースに監禁したまま、少なくとも2時間に渡ってパチンコをしていたことが判明。前日にも実験的に15分ほど男児を収納スペースに入れていたこともわかった。

3日に行われた判決公判で、大阪地裁の並木正男裁判長は2人のうち男を主犯と認め、「ヘルメット収納スペースに男児を入れることを発案するなど犯行を積極的に主導した」と指摘。女については従犯としながらも「男児の母親でありながら、我が子を山中に遺棄した行為は厳しく非難されるべきだ」と指摘した。

その上で裁判長は「男児は物同然に扱われ、その恐怖や寂しさは察するに余りある。2人の刑事責任は重い」として、男に対して懲役8年を。女に対しては懲役4年6か月の実刑を命じている。

《石田真一》

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