【ITS世界会議07】日本より先進的!? 北京のプローブ渋滞情報

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北京の渋滞問題は深刻だ。朝夕のラッシュアワーには環状線を中心に激しい渋滞が発生し、日中も市内を走るクルマが多いので、ちょっとした交通状況の変化であっという間に渋滞になる。渋滞が多く、さらに「渋滞している場所」がコロコロと変わるのが北京の特徴といえる。

このような交通環境のため、北京市の渋滞情報サービスのニーズは高い。渋滞情報サービスと、それによるカーナビの渋滞回避システムの導入は渋滞や環境負荷の軽減にも繋がる。オリンピックを目前に控えた"北京のITS"では、渋滞情報サービスが最重要項目のひとつになっているのだ。

北京の渋滞情報サービスは、タクシーを使ったプローブカーシステムを用いており、現在トライアルの最中にある。北京の6万7000台のタクシーのうち、約1万1000台にプローブ情報の取得装置を搭載しており、そこから送信されてくる「位置・速度・区間旅行時間」などをセンターで集めてプローブ渋滞情報を作成。これをFM多重放送やテレマティクスを通じて配信し、渋滞情報サービスを実現している。

北京で渋滞情報を収集・提供をしているのは「北京市交通情報センター」(BTIC:Beijing Trafic Infomation Center)という政府直轄の組織であり、渋滞情報の配信は「CenNavi」(センナビ)という政府系企業が担っている。トヨタやデンソーをはじめとする各社のカーナビゲーションは、このCenNaviを通じて配信される渋滞情報を利用している。

「北京のプローブ渋滞情報は、基本的にVICSと同じフォーマットで受信していますが、日本のカーナビで利用率が低いレベル1とレベル2情報は省き、レベル3情報の配信しています。このため配信データサイズは小さく、1回あたり30KB、せいぜい50KBに収まっています。FM多重放送でも充分に配信できる容量です」(黒瀬義雄・デンソー東京支社ITS渉外担当次長)

《神尾寿》

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