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【e燃費アワード06-07】時代に応えるふたつの燃費指標

2007年3月30日(金) 02時39分
e燃費アワード授賞式の模様の画像
e燃費アワード授賞式の模様の画像
10・15モードとJC08モードとの測定の違いの画像

29日、「燃費の良いガソリン乗用車ベスト10」(国土交通省)と「e燃費アワード」(IRIコマース&テクノロジー)が相次いで発表された。いずれも燃費のいい自動車をランキングしたものだが、両者では指標となる燃費データが異なる。

国交省のベスト10は「10・15モード」と呼ばれる、法令によって定められた一定の走行パターンでの測定結果をランキングしたもので、e燃費アワードは40万人のユーザーから集められた燃費データを元にしたランキングとなっている。


■10・15モードに代わる新測定モードを導入

どちらの結果も、登録車部門でプリウスとシビックハイブリッドが1位・2位を占め、軽自動車部門でスバル車の健闘ぶりが目につく結果となっている。

だがここで注目したいのは「カタログ燃費達成率」だ。たとえばプリウスは10・15モード燃費35.5km/リットルに対して、e燃費は19.7km/リットルとなっており、e燃費の10・15モード燃費に対する達成率は56〜66%にすぎない。

e燃費ランキング全体を見てみても、国産車のカタログ燃費達成率はおおむね60〜70%、良くて80%に届くのがやっと、というところだ。

以前から、実用燃費からかけ離れた10・15モードで数値は、識者だけでなく消費者からも疑問視されてはいた。国としてもこれらの指摘には自覚的で、2005年7月に経産省で「自動車判断基準小委員会」を、国交省で「自動車燃費基準小委員会」をそれぞれ設置し、審議を進めるとともに、一般からも意見を募集してきた経緯がある。

今年の2月にその最終報告案がまとまり、新しい測定モードである「JC08モード」の法制化が今年の夏までに策定される見通しとなった。

国土交通省自動車社交通局技術安全部環境課の小沼信之氏は、「JC08では細かい加減速やコールドスタート(冷間始動)の条件を加えており、最高速も10・15モードより上げて、より実走行に即した測定方法となっている。新モードの導入によって、e燃費のような実用燃費に近いデータを消費者に示すことができると期待している」と述べる。


■ドライバーや地域の特性をデータに含むe燃費

これに対してe燃費アワード実行委員会の三浦和也委員長は、「JC08導入でより実走行に近いデータになるのは消費者として歓迎すべきことだ。一定の環境と走行パターンで計測されたJC08は、ハードウェアの性能を厳密に測定できる。一方、e燃費はドライバーの特性や地域の走行環境、あるいはライフスタイルの違いなど、さまざまな条件下での実用燃費を測定する」と述べる。

「JC08モードによる競争により、ハードウェアとしての燃費性能は今後いっそう研ぎ澄まされていくだろう。e燃費は交通環境やドライバーの意識というようなソフトウェア面での燃費性能を評価する指数として役に立つのではないか」(三浦委員長)。

たとえば、トヨタでは環境に優しい運転をするとメーター内の「ECO」ランプが点灯する「エコインジケーター」の採用を拡大している。エコインジケーターは直接10・15モード(あるいはJC08)を向上させる機能ではないが、ドライバーの意識に働きかけて実燃費を向上させる効果がある。

また、VICSやプローブカー情報による情報提供が回避行動を促進して燃費改善につながるかもしれない。e燃費ならば、これらのようなソフト面による燃費向上効果も反映することができる。ハード・ソフト両視点による燃費向上策が、これからは重要になっていくだろう。

JC08モードの法制化後しばらくは、新型車については新旧両モードの併記という形をとり、2010年までに段階的に新モードへ移行していくとしている。来年のベスト10に「JC08をどう反映させるかはまだ検討中」(小沼氏)とのことだ。「燃費のいいクルマ」を求めるユーザーニーズが高まっている昨今、燃費データへの社会的関心はいっそう高まっていくに違いない。

《北島友和》
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