数年後の北米市場ではクリーンディーゼルが環境対応技術のひとつの柱になる姿が見えてきた。しかも、リードするのはディーゼル先進地域の欧州勢ではなく日本メーカーだ。
【いすゞエルフ 新型発表】燃焼状態を根本的に改善した新エンジン
いすゞの主力小型トラック、新型『エルフ』向けに開発された3リットル直4ターボディーゼル「4JJ1」系列は、低公害化、低燃費化を達成するため、新設計された。
旧型モデルの1.5トンクラスに設定されていた3.1リットル「4JG2」とのスペック上の共通点は、ボア径95.4mmのみ。ストロークは107mmから104.9mmに短縮され、排気量は3059ccから2999ccとなった。
シリンダーヘッドには、いすゞの生産技術部門が中心となって鋭意開発を進めてきた、新素材の高強度アルミ材が採用された。旧型のアルミ合金に対して強度や伸び特性を大幅に向上させているのが特徴だ。シリンダーブロックもボア部に高周波焼き入れを施して表面を硬化させるなど、新しい主力エンジンとして、長期、長距離にわたる過酷な使用にも耐える耐久性を確保している。
低公害化のための工夫も満載。大風量とハイレスポンスを両立させる、IHI製のVGS(可変ジオメトリー)排気タービンを採用し、広い回転域でブースト圧を高めた。デンソー製コモンレール燃料噴射装置の噴射圧アップ、クールドEGRの大容量化によるEGR率アップなどによって筒内圧を可能な限り引き上げ、低公害化のカギとなる燃焼状態を根本的に改善したという。
排気系にはDPFが装着されているが、NOxについては尿素SCR(選択還元触媒)、LNT(NOx吸蔵触媒)などを使用することなく、新長期規制をクリアした。いすゞはかねてから、新長期規制まではエンジン単体の改良で対応できると公言していたが、今回のエルフのエンジンでその“公約”を果たした格好だ。
「ディーゼルのクリーン化技術はいろいろありますが、エンジンアウトの段階で排ガスをできるだけクリーンにするのは絶対条件。燃焼による排ガス低減技術では、ウチが世界トップを走っていると思う」(上席執行役員・篠原彰氏)
いすゞはトヨタ向けに乗用ディーゼルエンジンを開発することが決定している。乗用車の排ガス規制は大型車より厳しいが、「後処理装置についてもSCR、LNTなど、幅広く研究開発を行ってきた。それらを付加することで、将来規制もクリアできる見込み」(篠原氏)。
新型エルフの3リットルエンジンは、近未来のクリーンディーゼルの技術展望を行ううえでのベンチマークエンジンのひとつと見なしていいだろう。
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いすゞの主力小型トラック、新型『エルフ』のエンジンはすべてディーゼル。主力は3リットル直4ターボで110ps・28.2kgmと150ps・38.2kgmの2種類のチューニングが存在する。
日産自動車は、「ニッサン・グリーンプログラム2010」でCO2排出量を削減するため、エンジン、トランスミッションによる燃費の向上の将来計画を発表した。
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