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【池原照雄の単眼複眼】やはり再編の主役はトヨタだった

2006年11月8日(水) 12時08分
いすゞ井田社長(向かって左)とトヨタ渡辺社長の画像
いすゞトラックの画像
いすゞ(UK)、3.0リットル・ディーゼルターボDOHCの画像
富士重竹中社長(当時。向かって左)と渡辺社長の画像

◆GMよりトヨタが出資する価値

米大手2社の経営不振を引き金とする自動車世界再編の主役は、日産自動車でも米GMの大株主でもなく、トヨタ自動車だった。7日発表したいすゞ自動車との提携は、2007年には世界生産トップの確実なトヨタが、名実ともに自動車産業のリーダーとなったことを象徴している。

GMは経営再建の一環として、昨年から日本メーカー3社との資本関係を一気に見直した。スズキには3%の出資を残したものの、富士重工業(スバル)といすゞからは完全に引き揚げ、その2社はいずれもトヨタとの提携を選択した。

富士重工、いすゞにとって、トヨタとの提携は事業拡大につながるだけでなく、資本面の安定にも寄与する。富士重工はトヨタの出資によって株価の崩落という事態を回避することができた。いすゞは、トヨタの出資は「こちらが望んだことではない」(井田社長)というものの、同社の企業価値への信認ということでは大きな意味をもつ。


◆生産・開発の工数不足をカバー

トヨタ側にも両社との提携のニーズは大きかった。2001年から年50万−60万台規模のペースで世界生産が拡大、「兵たん線」が伸び切った状態が続いている。富士重工との提携では同社の米工場(SIA)への生産委託や新車開発の委託により、時間を稼ぐことが可能になった。

いすゞとは小型乗用車向けを中心としてディーゼルの開発・生産を実質的に委託、「ラインナップ強化」(渡辺捷昭社長)を図る。環境技術の進化や欧州市場攻略にディーゼルは不可欠であり、工数不足をカバーしてもらうことになる。


◆将来の「大連合」に布石

トヨタと2社の関係は資本提携が伴うとはいえ、富士重工8.7%、いすゞ5.9%といずれも10%に満たない出資であり、当面は「緩やかな連合」。渡辺社長はいすゞへの出資増について、きっぱり「考えていない」と言う。

ただ、トヨタと富士重工、いすゞとの関係は、国内メーカーを束ねた将来の「大トヨタ連合」への布石にはなる。ダイハツ工業と富士重工の軽自動車など重複事業の統合や、すでにバス事業などで提携している日野自動車といすゞの事業補完強化など、トヨタグループ強化の選択肢も広がった。

《池原照雄》
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