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【池原照雄の単眼複眼】ホンダ、寄居新工場に アキュラ 専用ライン?

2006年4月5日(水) 11時40分
アキュラRLの画像
シビック・ハイブリッド・パワーユニットの画像
1.8リットル i-VTECエンジンの画像

◆次世代パワトレのマザー工場

ホンダが埼玉県北部の寄居町に、国内では30年ぶりとなる量産工場の進出を計画している。今のところ、次世代エンジンなどパワートレインの先進的な量産技術を確立するマザー工場とする方針だが、車両組み立てラインの新設も検討されている。その際、2008年秋から国内展開するプレミアムブランドの「アキュラ」を主体にした上級車の専用ラインとなる可能性がある。

ホンダが立地を計画しているのは寄居町の富田地区。用地面積は80万平方メートル規模で、ホンダの国内工場としては熊本製作所(熊本県大津町)、鈴鹿製作所(三重県鈴鹿市)に次いで3番目に大きい。量産工場としては1976年に稼動した2輪車・汎用工場の熊本以来、30年ぶりの新規立地となる。08年には稼動開始の見通し。

新工場の活用については、最終調整が進められているが、少なくともパワートレインの生産体制を強化する機能は担う。福井威夫社長は昨年12月の定例会見で、生産面の「源流強化」策として「生産技術の次の革新を図るため、生産工場改革の検討に着手した」と表明していた。


◆生産技術の革新は日本から

VTECエンジンやハイブリッドシステムなど、「最重要課題である環境対応のキーテクノロジーであるパワートレインの進化」(福井社長)が、グローバル競争を優位に展開するうえで欠かせないとの認識からだ。同時に、生産技術は最先端のノウハウをもつ設備や部品・素材メーカーが集積する日本で革新を図り、世界に発信・移植していくというのが福井社長の考え方。

ホンダが目指す燃費性能を飛躍的に向上させた次世代エンジンやハイブリッドシステムの量産技術やユニットを、寄居新工場から国内および世界の工場に展開していくことになる。一方で寄居は取得する用地規模からも、4輪車の新たな一貫生産拠点となりそうだ。


◆アキュラ国内展開と符合する新工場

福井社長は、寄居について「埼玉製作所の人が通勤できる範囲」とも述べており、埼玉製作所狭山工場(狭山市)との連動で、新たな生産体制を構築する可能性を示唆している。狭山の拡張には限界があり、「現状では進化させるのは困難」(福井社長)と判断している。

関連して注目すべきはアキュラの国内展開だ。北米、中国に続いて08年秋からは日本市場でも販売網を立ち上げることにしており、寄居の新設計画とも符合する。現在、狭山で生産している『RL』などアキュラシリーズやホンダブランドの一部上級モデルを含めた混流ラインとすれば生産量もまとまる。

いずれにしても寄居は「狭山を補完するという位置づけ」(ホンダ幹部)であり、一気に組み立てラインの設置まで展開する可能性が高い。福井社長が就任以来の指針としてきた「源流強化」は、自動車経営者には最もリスクの大きい新工場投資にも向けられることになる。

《池原照雄》
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