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【新連載*池原照雄の単眼複眼】レクサス「苦戦」の実相
◆トヨタでは異例の目標と実績の乖離
トヨタ自動車のプレミアムブランド「レクサス」の苦戦が伝えられている。実際、昨年末までの販売台数は、同社が掲げていた目標の半数余りにとどまった。逆にライバルのメルセデスベンツ、BMW(MINI除く)は、レクサス登場以来の累計販売が前年同期比2ケタの伸びとなって、とりあえずは「迎撃」に成功した。
ただし、独2ブランドの販売増には、レクサスの営業開始によるプレミアム市場底上げの波及効果も寄与している。現状ではトヨタの市場開拓パワーは、ライバルへ「塩」を送る構図となっている。
トヨタの笹津恭士副社長は2005年8月のレクサス立ち上げ時、同年末までに「販売2万台、受注2万5000台」の目標を公表していた。しかし、販売実績は約1万0300台。事業計画には常に慎重なトヨタの目標と実績がこれほど乖離するケースは珍しい。
『GS』など3車種合計のモデルサイクルを通じた月間販売計画にも若干ショートしている。覚悟していたとはいえ、プレミアム市場の壁は予想以上に厚かったという実感だろう。
◆プレミアムセダン市場で3割を確保
もっとも、ニューカマーの実績としては悪くない。プレミアムセダンの市場(輸入車およびレクサス)でのGSと『IS』の合計シェアは、昨年9月から12月まででほぼ3割に達した。これはメルセデスベンツを上回り、トップのBMWにも肉薄するレベルだ。
レクサスの営業開始まではメルセデスベンツ、BMWでほぼ8割を占めていたプレミアムセダンの市場にレクサスが割って入り、ほぼ3分する形となっている。市場拡大へのインパクトも大きい。トヨタブランドからのシフトが相当あるのは否めないが、9−12月の同市場は前年同期と比較して1.5倍に拡大した。
◆「活性剤」にとどまるのか、それとも……
トヨタの国内営業を担当する一丸陽一郎専務は、スタートダッシュがかからなかったことについて「トヨタ系のようにパワーで売れる状況ではなかった」としながらも、想定以上の成果もあったと指摘する。それはブランドの認知率やイメージの浸透についてだ。
トヨタは昨年末にレクサスブランドに関する独自の調査を実施したが、ブランドの認知率はほぼ8割に達した。またイメージについても「高級」や「先進性」などで、ライバルブランドに対抗しうる高い評価を得ているという。
トヨタは今年のレクサス販売計画として4万台を掲げた。春にはGSのハイブリッド車を追加し、夏には『LS』を投入する。この旗艦車種だけで月2000台の販売を狙う。競合車には相当な重圧となろう。プレミアム市場の「活性剤」としてライバルに塩を送る役回りが続くのか、それとも創出した需要をガッチリ押さえ込むのか? レクサス第1ステップの評価は『LS』の販売動向を見てからだ。
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