【ITS世界会議05】サンフランシスコの簡易型ETC「FASTRAK」

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【ITS世界会議05】サンフランシスコの簡易型ETC「FASTRAK」
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ITS世界会議サンフランシスコの展示会場カリフォルニア州のブースでは、サンフランシスコ市を中心としたITSの取り組みが展示されていた。「FASTRAK」はゴールデンゲートブリッジなど有料道路区間の料金徴収を目的とするシステムで、日本のETCに近い。

しかし、写真でわかるとおり、その端末はかなりシンプル。35ドルのデポジットを支払えば、端末代金は無料で手に入る。支払い方法はプリペイドのみ。シンプルな内容と端末代の安さが手伝ってか利用率は高い。「ゴールデンゲートブリッジを通過するクルマの約70%がFASTRAKを使用している」(説明員)という。

しかし、日本のETCと異なるのは、FASTRAKが全国的なシステムでないことだ。アメリカでは地方行政の権限が大きく、FASTRAKのような料金収受システムも統一されていない。

また、もうひとつユニークな点として、FASTRAKはサンフランシスコ内の渋滞情報を収集する目的でも使われているという。サンフランシスコ市内各所にはFASTRAKのセンサーがあり、搭載車がポイントからポイントを通過する時間を計測して渋滞情報にしている。この仕組みは、日本のVICS光ビーコンによるリンク旅行時間計測に近い。

FASTRAKで収集した渋滞情報は、METROPOLITAN TRANSPORTATION COMMISSION(MTC)に提供され、MTCの渋滞情報サービス「511」サービスのデータの一部になる。なお、各FASTRAK搭載車のID情報は「24時間で消去しており、プライバシー上の問題は発生していない」(説明員)という。

《神尾寿》

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