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その救急車出動要請、本当に必要ですか?

2005年7月14日(木) 01時11分
地下鉄やバスの車内などに掲示されるポスターの画像
駅貼りのポスターの画像

神戸市消防局は11日、救急車の出動回数を抑制し、適正な利用の推進を図るキャンペーンを同日から実施した。緊急性の無い搬送にも救急車が使われ、本当に救急車が必要なケースでの到着時間が伸びていることを理由にしている。

神戸市消防局によると、2004年の1年間に同局(神戸市内)が記録した救急車の出動回数は6万5643件に達し、10年前(1994年)よりも2万2231件増えた。

本来、救急車は事故や病気などのうち、「救命を目的とした緊急性が要求される輸送」を行うものだが、最近では「病気になったときに使える」と誤認する人が増えているという。

前述したとおり、救急車の出動回数は増えているものの、全体のうち約60%は「救急車要請の必要なし」、約14%は「緊急性なし」と判断された案件。

例えば歯痛や単なる擦過傷、果ては二日酔いなど、本人にとっては深刻かもしれないが、一般には緊急性がまったく感じられない軽微なものまで通報する人が増えた結果、出動回数自体も引き上げてしまった。

通報の段階では症状を大げさに申告することが多く、救急車が必要か不必要なのかは現場に到着するまでわからない。だからこそ、こうした通報の増加に同局も頭を悩ませているわけだ。

また、救急車を必要としない案件まで扱うようになった結果、本来必要とする患者が発生した際に「救急車が不在」という状況が生じるようになった。

この場合、近隣の消防署から手配を行ったり、救急救命士を消防車に乗せて現場まで先行させて応急処置に当たらせるなどの対策を講じているが、通報受理から現場到着までの時間は2004年は5分42秒となり、1994年の4分24秒から悪化した。

患者が心停止していた場合、蘇生措置が1分遅れると生存率は最大10%も低下するため、本当に必要な人にとっては「正に死活問題」となる。

このため、同局では不要不急の救急車利用を抑制するため「救急車はタクシーではない」ということを前面に押し出し、積極的に広報していくことになった。

神戸市交通局の地下鉄やバスにポスターを掲示するほか、通報段階でも可能なかぎり確認を取り、症状の内容からタクシーや自家用車で代替できるものについては「救急車が必要かどうか」の問いかけも行いたいとしている。

ただ、こうしたキャンペーンを行うことで、深刻な状態であってもこれを軽視し、救急車の使用を遠慮していた人がさらに使用を自粛してしまい、より深刻な状況に陥ることも考えられる。

同局では「救急車での搬送が必要かどうかの判断は119番に電話を掛け、応対した担当者と相談してほしい」とも説明している。

《石田真一》
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