トヨタが燃料電池車向け水素タンクを開発…GMに供給か?

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トヨタ自動車は、燃料電池車用の35MPaおよび70MPaの高圧水素タンクを自社で開発し、高圧ガス保安協会の認証を取得したと発表した。35MPaタンクは昨年4月、70MPaタンクは今年1月にそれぞれ取得した。

35MPaタンクについては、同協会が今年3月に高圧水素の安全基準として新たに規定した「圧縮水素自動車燃料装置用容器の技術基準」にも適合し、使用期間の認可が、これまでの3年間から15年間へと延長された。

今回、同社が開発した高圧水素タンクは、水素漏れ防止の役割を担うライナー(タンクの最も内側の層)に、強度が高く水素透過防止性能に優れたナイロン系樹脂を採用したのに加え、タンクの外側をカーボンファイバーで巻いたオールコンポジット製としたことにより、軽量化と高強度を実現した。

ナイロン系樹脂を採用することでライナーの厚みを抑え、35MPaタンクは、従来のタンクに比べ、同一の外形サイズのままで水素貯蔵量を約10%増加した。これを燃料電池ハイブリッド車トヨタFCHVに搭載した場合、10・15モード走行での航続距離を、従来の300kmから330kmに延ばすことが可能となる。

70MPaタンクについては、トヨタFCHVに搭載するため、サイズも含めて設計し、従来の35MPaタンクに比べ水素貯蔵量を約1.7倍にまで増加させたことで10・15モード走行で500km以上の航続距離を可能としている。

タンクに装着する高圧バルブもトヨタグループ内で新たに開発し、電磁遮断弁をタンク内に配置した新構造のインタンク式高圧バルブの採用で、信頼性を高めたと、している。

同社は、2002年12月にトヨタFCHVを世界に先駆けて、日米で限定販売し、現在は、国内で11台、米国で5台を販売した。また、燃料電池バスについても、東京都営バスの営業路線での実証評価を行っている。

今回トヨタが開発した燃料電池車用高圧水素タンクの詳細技術は、18日からパシフィコ横浜で開催される自動車技術会の2005年春季大会で発表する予定。

《レスポンス編集部》

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