【D視点】キャデラック STS …バウハウスが造った夢のピラミッド

2004年12月18日(土) 17時06分
STS(US仕様)の画像
CTS(US仕様)の画像
1999 Cadillac EVOQ Roadster Conceptの画像
1955 Ford Thunderbirdの画像
1957 Ford Thunderbirdの画像

★抽象的概念から生まれた現代のピラミッド

日本ゼネラルモーターズ(GM)は、10月12日に新型キャデラック『STS』を発表した。『セビルSTS』の後継で、キャデラックのラグジュアリー・パフォーマンス・セダンとしては25年ぶりの後輪駆動モデル。

キャデラックSTSは、高級車としての乗り心地と室内空間、卓越した走行性能を追及したとしているが、デザインを見る限りメーカの意気込みを信じて良さそうだ。

 2003年の東京モーターショーのGMブースに、ボディはもちろんすべての部品が“角々な”、豆腐を大きな包丁でザクッと切り込んで仕上げたようなデザインの『CTS』、『SRX』、『XLR』が出品された。
 
 「新しいことをやるにはこれくらいのインパクトが必要」ということは理屈では分かっていても、感覚的にはついていけず、キャデラックがはたして本気なのか疑ってしまった。

このショッキングなデザインも、今やキャデラックの個性として市民権を得た。シリーズのデザイン経験に裏打ちされたSTSは、高級車らしい風格もでて、カッコ良くさえ見える。完成度も高く真打登場というところだ。デザインの純粋さやインパクトではCTSに一歩譲るが、物事の熟成の順番としてこうなるのは仕方が無い。

デザインの歴史を見ると、一方の極に自然を模倣した具象的で有機的なデザインがあり、もう一方の極として自然と対峙しながら人間特有の抽象的概念から生まれた無機的なデザインがある。

抽象的デザインの代表格としては、その巨大さと明快さでエジプトのピラミッドが挙げられる。同じく巨大な工業製品であるキャデラックSTSもクルマのデザイン史における一方の極としてピラミッドに匹敵する労作と評価したい。


D視点:デザインの視点
筆者:松井孝晏(まつい・たかやす)。東京造形大学教授。元日産のデザイナーで、『Be-1』をプロデュースした。

★抽象的概念から生まれた現代のピラミッド
★“ネオ”アメリカンドリームはキャデラックから
★キャデラックの復活はバウハウスの発展

《松井孝晏》
画像
画像
画像
画像
画像
画像
画像
画像
画像
画像
画像
画像
画像
画像
画像

注目ニュース

【シトロエンC5 マイナーチェンジ】 一新してブランドイメージをアップ

12月4日、シトロエン・ジャポンから『C5』のビッグマイナーチェンジモデルが発売された。今回のトピックは、大きく印象を変えたエクステリアデザインだ。

日産 インフィニティ 世界展開、2番目はオイルマネー狙い

日産自動車は、2005年初旬から中東市場で「インフィニティ」ブランドの最新ラインアップとなる乗用車、高級SUV車の販売を開始すると発表した。インフィニティブランドの展開は、北米市場に続くもの。

トヨタとレクサスが1、2位…「次も同じブランドで」

米国JDパワー&アソシエイツが9日発表した調査によると、自動車買い替え時に再び同じブランドのクルマを購入する比率は、トヨタ自動車の2ブランドが最も高いという結果になった。

リンカーン マークLT…今度は失敗できない

SUT(スポーツ・ユーティリティ・トラック)というコンセプトをひっさげてデビューしたリンカーン『ブラックウッド』が販売不振のため撤退して以来、リンカーンブランドとしては初のピックアップトラック、『マー...

【デトロイトモーターショー05】ホンダ/アキュラのエントリーSUV

ホンダは、2005年1月9日からの北米国際自動車ショー(デトロイトモーターショー)で、2006年に発売予定のアキュラブランドのエントリーSUVの予告コンセプトモデル、アキュラ『RD-Xコンセプト』を出...

RSS

編集部ピックアップ