認識はあった…ひき逃げ不起訴に不当議決

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京都検察審査会は5日、2001年10月に京都府京田辺市内で発生した死亡ひき逃げ事件について、道路交通法違反(ひき逃げ)を不起訴とした京都地検の判断に対して「不起訴不当」の議決を行った。

問題の事故は2001年10月12日に発生している。京田辺市内の市道交差点で当時53歳の女性が道路を横断しようとしていたところ、左折してきた大型ダンプトラックが突っ込んできた。ダンプトラックは女性をはねたまま逃走。女性は近くの病院に収容されたが、まもなく死亡した。

警察では事故の翌日に当時40歳のトラック運転手の男を業務上過失致死と道交法違反(ひき逃げ)容疑で逮捕したが、男は取り調べの段階から「ひいたという認識はなく、ひき逃げには当たらない」と主張した。

男は同容疑で送検されたが、検察では従前の主張を繰り返したため、「ひき逃げとするのは難しい」と検察は判断。業務上過失致死罪についてのみ起訴していた。男は2002年に京都地裁において執行猶予付きの禁固刑判決を受け、これが確定している。

だが、女性の遺族はこれに強く反発。京都検察審査会に対して「道交法違反を不起訴としたのは不当だ」として、不服を申し立てていた。

検察審査会では「事故後、ダンプが小刻みに上下していた」という複数の目撃証言に着目。さらには「上下動した後、その場にいったん停止していた」という証言があることもわかった。

これらの点から審査会では「運転手の男には何かに乗り上げたという未必の認識があった」と判断。確定的ではないにしても人身事故を起こした認識があったにも関わらず、現場から逃走したということは、ひき逃げが成立すると結論付け、不起訴不当を議決した。

京都地検ではこれを受け、近日中に再捜査に着手するとしている。

《石田真一》

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