国際ショーとはいえローカル色が強い北京モーターショー(8−16日)だが、フォードは自社ブースで次期『フォーカス』のセダンをコンセプトモデルとしてワールドプレミアした。
フォードの上級副社長兼アジア・太平洋・アフリカ担当社長、マーク・シュルツによれば、このフォーカスは「ティーザー・コンセプトカー」なのだとか。つまりユーザーの期待を直接的に喚起させるモデルということで、生産型フォーカスに限りなく近いコンセプトモデルといえる。
フォーカス・レインジで主流のハッチバックではなくセダンが公開されたのは、上級=ノッチバックセダンという中国での価値観に従った結果であり、すなわちフォーカス・セダンの主力市場は中国であることを示している。
市場ではセダンが主流にもかかわらず『フォーカス』ファミリーとしたのは、フォード・ブランドはグローバルなものであり、欧米で販売される車種と同じ思想で作られたモデルを中国人にも受け入れて欲しいという思惑があるからのようだ。
つまりフォーカスの名称は、「これをいいと思うアナタは、世界的な感覚を身につけていらっしゃいますね」と中国人ユーザーをくすぐるための装置でもあるわけだ。詳細は不明ながら、フォーカス・セダンは今後数年の内に、アジア太平洋地域の数カ所の工場で生産が開始される予定。