自覚しなさい…阪神の上坂内野手に有罪判決

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昨年6月と7月の2回、兵庫県西宮市内の国道で速度超過状態で走行し、オービス(速度違反自動取締機)によって違反行為を摘発され、道路交通法違反の罪に問われた阪神タイガースの内野手、上坂太一郎被告に対する判決公判が12日、神戸地裁で開かれた。

裁判官は「違反の程度は悪質で、警察の呼び出しも無視した」として、執行猶予付きの有罪判決を言い渡した。

起訴状によると、上坂内野手は昨年6月9日、兵庫県西宮市久保2丁目付近の国道43号線で、制限速度を83km/hオーバーする123km/hで走行し、これをオービスによって撮影。同7月18日には58km/hオーバーの98km/hで同様に撮影された。

警察と検察は再三の出頭要請を行ったが、当時は阪神タイガースが絶好調だったこともあり、上坂内野手はスキャンダルのネタになることを恐れたのかこれを無視。

結局、上坂内野手が検察の出頭要請に応じたのはシーズン終了後の10月末で、この間の5回の要請は完全に無視していたという。また、球団に対しても違反事実を報告していなかったとされている。

12日に開かれた判決公判で、神戸地裁の笹野明義裁判官は「短期間に複数回の速度超過違反を繰り返しており、その結果からも速度超過を軽視したことによる常習性が見受けられる」と指摘した。

さらに「違反の程度も悪質で、警察の再三に渡る呼び出しにも応じなかったことを考慮すれば、被告に社会人としての自覚が十分でないと指摘されてもやむを得ない」と念を押すように指摘している。

しかし、刑罰については「被告は球団から公式戦の出場を禁止されたり、自宅謹慎などの処分を受けており、一定の制裁はすでに受けた」として、情状の酌量を認め、被告に対して懲役6カ月(執行猶予2年)の有罪判決を言い渡した。

判決言い渡しが終わった後、裁判官は被告に対して「自分の行動がどれだけ多くの人に注目され、迷惑をかけたか自覚していると思う。今後は社会的責任を十分に考えてほしい」と諭している。

これに関連し、阪神タイガース球団は同日中に会見を開き、上坂内野手に対する公式戦1軍の出場停止措置を同日で解除するとともに、「ファンや球団関係者に多大な迷惑をかけたことを改めておわびしたい。もう一度野球ができるという喜びをかみしめ、一日も早く1軍に上がれるよう頑張るとともに、ファンに夢と希望を与えられる選手を目指したいという、上坂内野手のコメントも発表している。

《石田真一》

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