国土交通省は4日、タクシーの新サービスを探る「生活支援輸送サービス社会実験」を公開した。会員制の形で、運転手による子供の送迎や買い物、薬の受け取りなどが受けられるもの。
【特集:クルマの未来】みんなが運転手付き……「共同自家用運転手システム」
環境負荷を軽減するためにクルマの共同所有・利用という話はしばしば聞かれるようになってきたが、こんどはクルマではなく、「共同自家用運転手」というシステムが検討されるようになった。背景には公共交通の不備、高齢者の福祉、労働環境の整備、交通運輸業界の新事業展開、需要拡大といった複数の問題がからんでいる。
●クルマがないと生活が成り立たない
日本全国で、交通弱者にとって受難ともいうべき変化が生じている。国鉄の赤字路線が整理されてバス輸送に切り替えられたが、利用客が減って運行便数がさらに減らされるという悪循環に陥っている。かつてはにぎやかだった駅周辺の商店街が、“シャッター通り”に姿を変える現象が全国いたるところでみられる。郊外の大型駐車場を備えた大型商業施設に顧客を奪われ、廃業を余儀なくされる商店主が相次いでいるからだ。
地方では一家に2台という自動車保有も珍しくなく、そうした家庭の場合はこのような現象は何ら不都合はない。モータリゼーションの裏返しともいえるが、影響をもろに受けているのが、運転免許をもたない高齢者たちである。
めったに来ないバスに乗って町に出ても、買い物もろくろくできない。自治体が合併した結果、市役所などの公共施設が中心部から遠く離れてしまうケースもある。毎日の病院通いも不便で仕方がない。このような悩みを、全国各地の高齢者が抱えているのである。たとえ免許を持っていても、年齢が増すほどに運転時の危険は増してくる。地方部の足の便は悪化の一途をたどっているのだ。
このような現実への対応策として打ち出されているのが、共同自家用運転手システムである。ごくシンプルに説明すると、10人ほどの高齢者が予算を負担しあって、1人の運転手を雇うイメージだ。このサービスが実現すると、たとえば過疎地域で免許を持たない高齢者の通院や買い物の足の便となることが考えられる。高齢者は家族に遠慮することなく、自由に外出することが可能となるのである。
2/3●30代夫婦がこんなに使った
3/3●タクシー業界生き残り、さらに消費拡大へ
【ニュース解説】日本車欧州攻略に立ちはだかる3つの試練
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