警官の自転車にはねられ主婦死亡---交通事故としての発表を見送った背景

自動車 社会 社会

警視庁は9日、田園調布署地域課の巡査部長が今月4日、非番中にマウンテンバイクで主婦と衝突するという事故が起きていたことを明らかにした。主婦は転倒した弾みに頭を強打し、それが原因となって2日後に死亡している。

警察の調べによると、この事故は今月4日の午後7時ごろに発生した。田園調布署・地域課に勤務する46歳の巡査部長が自宅近くでマウンテンバイクに乗っていたところ、道路を横断しようとしていた40歳の主婦と衝突。主婦は救急車で病院に運ばれたが、事故から2日後の6日早朝、頭蓋骨の損傷とそれに伴う脳挫傷が原因で死亡している。

当初、警察では「事故発生から24時間後の死亡のため、交通事故死としてカウントされないこと」や、非番中の、しかも自転車による事故のために公表を避けてきた。しかし、その後の調べでマウンテンバイクの速度が原付バイク並みであった可能性が高くなり、業務上過失致死容疑で書類送検される見通しになったことから一転して公表を決めた。

なお、自転車は道路交通法で「軽車両」として位置づけられている。運転する際に免許は必要ないが、東京都公安委員会では「道路に速度種別のない場合、標識の速度に従う」と規定されている。事故を起こした巡査部長は「測っていたわけでないから覚えていない」としているが、速度30km/h制限の道路でそれを上回る速度で走った場合、規定の上ではスピード違反として検挙され、反則金の支払いを命じられることもある。

事故としては特異なケースだが、昨年だけで4人が自転車にはねられ、24時間以内に死亡している(つまり、交通事故死者としてカウントされている)。

《石田真一》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集