初動捜査ミスで大学院生を見殺した神戸西署、同じミスをまた重ねる大失態

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兵庫県警監察官室は6日、今年3月に交通トラブルの初動捜査ミスで暴力団員による大学院生殺害を誘発した、と指摘されている神戸西署が、今月2日に起きたひき逃げ事故の初動捜査を行っていなかったという実態を認めた。被害者の家族から再三の通報を受けたにも関わらず軽視。結果として通報を無視していたらしい。

監察官室の調べによると、問題の事件は今月2日の午前11時40分ごろに発生した。学校での始業式を終え、帰宅するために神戸市西区玉津町の市道を歩いていた小学校1年生の女児が、走ってきたクルマに幅寄せされ、当てられる形で接触。女児は弾みで転倒し、手や足に軽い擦過傷を負ったが、接触したクルマは現場で一時停止したが、運転していた女性は女児に「当たってないから大丈夫」と言い残し、そのまま走り去った。

帰宅した女児からこの話を聞いた母親は警察に通報することにしたが、発生から時間が経過しているために110番ではなく、神戸西署の交通課に通報を行った。ところが電話に応対した署員は「とりあえず病院に行って医師の診察を受け、診断書を貰い、それを提出してから被害届けを受理します」と告げ、さらに「今のところだと、おたくから事情を聞けるのは早くて今週末になるが、それは後ほど担当から連絡させる」と言い、電話を切ったという。

女児はとりあえず医師の診察を受け、全治3日間程度の軽傷であると認定されたが、同日午後になっても警察からの連絡が入らなかったため、母親が再び神戸西署に電話を掛け、「ケガは軽いかもしれないけど、ひき逃げなんですよ。いったいどうなっているのですか?」と問い詰めたところ、署員は「そういうことでしたらこれから検証します」といい、事故から6時間あまりが経過した同日午後6時ごろにようやく現場検証が始まった。

女児の証言や、たまたま事故を目撃していた住民などの証言から、容疑者も事故3日後までに発見されたが、神戸西署では今年3月に路上駐車の問題で暴力団員とトラブルになったという通報を受けたものの、現場に近い交番の警察官が仮眠中で初動捜査が遅れ、これが原因で通報者の大学院生が拉致され、さらには殺されるというトラブルになった。

事件のケースは違うものの、兵庫県警は「初動捜査を行わない」というミスを再び繰り返してしまった。しかも二つの事件とも同じ警察署だったという、警察にとっては笑えない大失態。「今後このようなトラブルが起きない」と誓った県警の責任論が再び浮上することだけは間違い無さそうだ。

《石田真一》

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