ゼネラルモーターズは、もとクライスラー社長だったロバート(ボブ)・ルッツ氏を北米事業部門の会長に就任する人事を発表した(既報)。ルッツ氏はGMで最重要の北米事業の総責任者となって新車の開発から販売まで全ての戦略を立てる。
ルッツ氏はクライスラーがダイムラーベンツと合併する前後の社長で、クライスラーの経営立て直しの実績を上げた。ダイムラーベンツとクライスラーが合併後、クライスラー部門社長を退任し、9月からGMの副会長に就任して注目されていた。
ダイムラーとクライスラーは合併してダイムラー・クライスラーとなったが、当初対等合併と言っておきながら、ダイムラーのシュレンプ会長が旧クライスラーの役員を次々と退任に追い込み、現在では完全に旧ダイムラー側が支配している。こうした状況をルッツ氏が快く思っているはずが無く、ルッツ氏がダイムラーに逆襲するとの見方は強い。
ダイムラーのアキレス腱となっている北米部門、主にクライスラー部門を攻めることになりそうだ。クライスラーを知り尽くしているルッツ氏だけにダイムラーは戦々恐々としているとの噂も。