力作の多いダイハツのコンセプトカー群のなかでも、とりわけ注目を集めそうなのは次世代軽自動車『UFE』だ。世界最高レベルの燃費性能と高い安全性を両立させた、まさに“夢のクルマ”である。
パワーユニットは直噴ガソリンエンジンと2個の電気モーターを組み合わせたハイブリッドエンジン。ボディは軽量かつ高剛性の樹脂コンポジット製。さらにシート、ブレーキなど多くの部品にアルミ部材を使用することで、車重を630kgに抑制。ボディのエアロダイナミクス化も徹底され、Cd値はわずか0.25だ。これらの技術によって叩き出される燃費は、10・15モードでじつに55km/リットル。世界のライバルが100kmを3リットル以下の燃料で走る“3リッターカー”の開発に血道をあげているが、UFEは2リットルすら切ってしまうのだ。
安全性も、衝突軽減ブレーキ、全車速域追従走行制御、カーブ進入速度制御、斜線逸脱警報装置などからなる新安全システムASVによって、普通車を超えるレベルを達成する。これらの技術が市販車にフィードバックされれば、軽自動車は一躍、世界を席巻する21世紀型商品になるかもしれない。