勝手な意見を言うだけの「ファン」は買わない---日産『スカイライン』

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勝手な意見を言うだけの「ファン」は買わない---日産『スカイライン』
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自動車ジャーナル『』第10号
税込価格2100円 発行:わパブリッシング

参加者が参加料を払って、創った作品を集めて掲載するという類例のない自動車雑誌『わ』は、今号で第10号を迎えました。この号から本文の紙質をグレードアップし、写真やイラストの見映えが大きく向上しているのが大きな特徴です。その写真作品は今回3作あり、レギュラーに加えた菊池一仁「コブラ伝説」は迫力満点です。

●「新時代にふさわしいモータースポーツを考える」(湯坂 進一)は、環境性能を競うモータースポーツが開催されてもいいのではないか。そのレースの面白さはIT技術によって倍加されるようにし、日本から世界へ向けて発信してはどうかという提案であり、 20世紀の自動車レースの歴史を概観したうえで考察を進めています。

●「晴れた日にはスカイラインが見える」は、本誌が初めて試みる新型車特集です。このスカイライン特集には、23名のジャーナリスト、デザイナー、写真家、雑誌編集者など多彩な筆者が新型スカイラインについて批評。その内容、スタイル、ブランド性などについて思い思いの意見を述べています。この特集のためにとくに撮影した写真もお楽しみいただけると思います。

●「多人数乗用車の周辺を考える」は、自動車ジャーナリストのチームである「グループC」が、いま大流行のミニバンについて原点に溯って考察。さらにミニバンの周辺の乗用車についても論じました。ミニバンの定義、多人数乗用車の歴史の中でのミニバンの位置と歴史、その利便性などを論じた《スクランブル・エッセイ》から始まり、筆者たちによる自由討論という《シャッフル・トーク》という二部構成で、ミニバンとその周辺についてじっくり読んで楽しめる記事です。

●この他、試乗レポート(宮下 亮二)はホンダ・ストリームを取り上げ、商品性評価を研究するとともにミニバン人気を探っています。メーカーOBが集まった集団である参加者のAEMSSは、このところ評価を辛口に振っており、歯切れの良い論評は読み応えがあります。

●「カーデザインは何を表現できるか」(宮崎嘉雄)は、「人間の感情とカーデザインについての考察というサブタイトル」が示すテーマに迫った小論ですが、嫌われるデザインはどういうものかという話題を軸に論を進めています。この頁に掲載された歴代2ボックスカーの一部分を図案的に描いたイラストは、ちょっとしたクイズ風に楽しんでご覧いただけると思います。

●このほか 1960年代から1970年代にかけて一世を風靡したアメリカのカーレース「CAN-AM」の歴史を追った「その時、世界の中心はアメリカにあった」(矢吹明紀)、マイナーチェンジで 17cmだけ長くなったメルセデスAクラスについての考察「17センチの意味」(森岡和則)、珍しいところでは“読む落語”とでもいうべき「おとしばなし 温暖化」(城国勝)が笑えます。。……(『わ』編集室より)

《高木啓》

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