『トラヴィック』は、GMグループであるオペルのミニバン『ザフィーラ』をベースにしている。なぜ、スバルは初のOEM供給車として、数あるGM系のクルマの中から、この『ザフィーラ』を選んだのだろうか。
「まず、ザフィーラはヨーロッパで開発されたクルマなので、走りの性能がスバルの要求に見合うだけのものをもっていたからです。それから、7人乗りのコンパクト・ミニバンであるということですね。スバルにとって、このジャンルのクルマは“喉から手が出るほど欲しい”存在でしたから」
と、富士重工スバル技術本部・車両研究実験総括部主査の芝波田直樹さんは語る。たしかに、『イプサム』や『ストリーム』など、このジャンルのクルマがいま日本でとても売れていることを考えれば、当然の選択といえるだろう。ちなみに柴波田さんによれば、「タイ生産といっても、日本製のクルマと品質の点でまったく変わらないし、タイ生まれだけに、エアコンなんかは寒いくらい効くんですよ」とのことだ。