ファイアストンは9日、タイヤ専門の小売店としては全米2位の規模をもつ「モーガン・タイヤ・アンド・オート」の株式52%を取得、経営権を掌握したことを明らかにした。詳細な買収額は公表されていないが、2008年を目標に発行済み株式全てを買い取ることは明らかににしている。
モーガンは全米に約600の店舗網を持つタイヤ専門の小売店で、現在は主力メーカー7社のタイヤを併売している。ファイアストンでは経営権掌握を機に、同店でのファイアストンタイヤの取り扱い比率を高め、将来的には全販売量の75%を同社ブランドにしていきたいとしている。
ファイアストンタイヤの売り上げは昨年夏のリコール発覚から急落しており、今になっても噴出する新たなトラブルによって、販売量の回復は思わしくない。小売店の増加で販売網の強化を図ることで、アフターマーケット向けタイヤの需要を増やしていくという戦略を実施するため、今回の買収作戦を展開したが、店が増えたとはいえ、顧客が商品を信用しなくては意味がないわけで、ファイアストンの苦境はまだまだ続きそうだ。