スズキは23日、アルミ製エンジンプロックを軽量化する技術を開発したことを明らかにした。特殊合金をメッキ処理することで摩擦に強い構造となり、これまで必要としてきた鋳鉄製の補強材が不必要になるとしている。
アルミ製のエンジンブロックは摩擦に弱く、シリンダー部分については鋳鉄部品による補強が必要不可欠だった。しかし、この補強材の使用がさらなる軽量化のネックとなっており、小型車生産の多い同社としては決して無視できない問題のひとつとされてきた。
今回、新たに開発された技術は、アルミシリンダーの表面にニッケル、リン、炭化ケイ素などを吹きつけ、皮膜を形成するというもので「高速分散メッキ」と呼ばれている。技術自体は従来からあるものの、工程が複雑なことから量産車への採用は難しいと考えられてきたが、工程を簡素化する手段を開発。処理時間を1/5程度に短縮することが可能となり、採用への見通しがついた。
第一弾として、北米市場で販売する4輪バギー車に搭載するエンジンに採用。その後、国内販売する軽自動車の各モデルにも採用していきたいとしている。