トヨタ自動車とPSAプジョー・シトロエン・グループは12日、東京都ベルギー、ブリュッセルで同時に記者会見をひらき、小型車を共同開発・共同生産することについて同意したと発表した。
共同開発・共同生産するのは欧州市場向けのエントリーレベル小型車。4人乗りでエンジンは1.0リットルガソリンと1.4リットルディーゼル。ガソリンはトヨタが開発・生産するもので、ディーゼルはPSAがフォードと共同開発しているものだ。トヨタ『ヤリス』(日本名『ヴィッツ』)、プジョー『106』、シトロエン『サクソ』という現行ボトムラインよりさらに下位に位置する。目標価格は8000ユーロ、約85万円。
開発設計と生産はトヨタが担当、資材や部品の調達はPSAが担当する。ただしスタイリングはトヨタ、プジョー、シトロエンがそれぞれ担当する。生産はトヨタとPSAが同額出費で合弁工場をヨーロッパに建設して行なう。立地は年内に決定し、生産開始は2005年の予定。年産規模は30万台で、トヨタが10万台、PSAが20万台を販売するという。プジョーとシトロエンとの割合は未定。また欧州外への輸出についても未定。
記者会見では2グループともそれぞれの独立を強調し、プロジェクト単位の提携であると強調していた。事実、プロジェクトごとの提携はそれぞれのグループが多方面にひろげており、PSAは今回のディーゼルエンジンをフォードと共同開発し、フィアットとミニバンをすでに共同開発・生産している。
トヨタもBMWにディーゼルエンジン供給と報じられているが、この件についてトヨタの某幹部は「いろいろある提携話のどれかについて憶測で書かれたのでしょう」と語っていた。